第2話 襲撃
一件目の化け狸をササっと〆て、俺たちはこの
高瀬山に到着した時、まず目についたのは、おびただしいほどの破壊痕だった。
木々は焼け焦げ、地面がえぐれているその様は、地獄といっても差し支えないくらいだ。
(いったい何が起こったんだ?こんな破壊痕を残せる怪異なんて、かなりやばいやつぐらいしかいないだろ)
そう思い、引き返して報告をしに行こうと、梓葉に声をかけようとしたとき、
鋭い雷鳴が轟き、俺たち二人の横を何かが通り抜けた。
「・・・おいおいおい、噓だろ」
「い、今のは?」
土煙が晴れ、その姿を表す
顔は猿、胴体は虎、尾は蛇、そして体に雷を纏っている
そう、鵺だ。
鵺とは、顔が猿、胴体が虎、尾が蛇で構成される妖怪である。
体には雷を纏っており、非常に狂暴。
人語を話せる個体は少なく、また話せていたとしても、狂暴な性格は変わることなく健在である。
弱点は・・・
そんな、本で読んだ情報が頭に流れ込んできた。
(やるっきゃないか)
そう思い俺は、持ってきた数珠の中から自分の得物である刀を取り出した。梓葉は
鵺は土煙が晴れたときに、真っ先に見えた俺に向かって突撃をしたが、俺はそれを紙一重で躱し、動きを封じるためにお札を張り付けた。
お札の効果はあまり強くなく、数秒ではがされてしまうだろう。
だが、数秒稼げれば十分だ。
数秒間動きを止めている間に、梓葉による巫女の祈禱の力が鵺を直撃した。
巫女の祈禱の莫大な陽の力の塊は、本来であれば怪異にとっては弱点である攻撃のはずだ。
しかし、鵺にダメージはほとんど通ってないように感じられた。
「ちょっとどうなってんの!?全くダメージが入んないんだけど」
「・・・多分向こうの力が強すぎるんじゃないか?」
相手との力量差がありすぎると、そもそも術が聞かないことがあると資料で見たことはあるが、まさかこの身で体験することになるとは思わず、もう少し真面目に見て対処法でも覚えてればよかったと少し後悔する。
梓葉が時間を稼ごうと式神を鵺にけしかけるが、ほとんど一撃で消滅してしまった。
「おーい梓葉。ちょっと作戦があるんだけど」
「何よ?」
俺は一通り作戦を伝える
「それ大丈夫なの?」
「でもそれしかないだろ?」
「ハァ・・・やるしかないか」
それを合意の合図と解釈して、俺は後ろに下がり、代わりに梓葉が前に出る。
そう、作戦とは至ってシンプル。俺が後ろに下がり、術の準備をしている間に梓葉
が時間を稼ぐというものだ。
それでも、鵺相手に時間を稼ぐのは今の俺たちじゃ難しい。
それでもやるって言ってくれたんだ、期待に応えるしかないだろう。
俺が準備をしている間に、梓葉は残りの二体の式神も失い、満身創痍になっていた。
だが、こちらも準備は整った。
「術式開放
俺の手に持っていた刀が赫く燃え上がる。
『炎魔』
それは今の俺の最高火力、溜めた力を炎として一気に燃え上がらせる技である。
俺は鵺に向かって突撃し、弱点である尾を切り落とそうとするも、鵺によけられた。だが、俺の刀は鵺の肩を深々と切り裂いた
だがそれだけだった
俺に肩を切られた鵺は、すぐさま体勢を立て直すと雷を纏った腕を俺に振るった。
やられた
と思った直後、一筋の風が俺と鵺の間に割って入り、鵺を吹き飛ばした。
「大丈夫かい?」
「隆弘さん!?」
「お父さん!?」
急な援軍に驚いた俺たちの叫びを聞いても、隆弘さんはのんびり話し始める
「いやぁ痕跡から鎌鼬くらいかと思ってたんだが、まさか鵺が出てくるとは」
そんな隆弘さんに、先ほど吹き飛ばされた鵺がとびかかってくる
「隆弘さん危な
「
隆弘さんがそう唱えると、青い風が瞬く間に鵺を粉々に消滅させてしまった
「さあ、帰ろうか」
そんな隆弘さんに呆けながらも、俺たちは帰路についた。
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ちょいとここらで設定公開
今回は呪力や、妖力、魔力と呼ばれるものについてです。
魔力など(以後力と呼称)は全部同一の力で呼び方が違うだけです。
そしてこの力とは、正の感情から出る陽のエネルギーと、負の感情から出る陰のエネルギーとかをコネコネして作られます。
またこのエネルギーをコネコネできるかどうかで、パンピーと区別をしたりします。
このエネルギーのコネコネですが、これには『器』が関係してます。
器がないとコネコネする場所がないって感じです。
また、器の容量が力の量を指していたり、色や形が属性なんかを指していたりします。
ようは
ムムこの器・・・グリフィンドール!
的な感じ?です。
設定公開が長くなってすいません
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