第41話ブラバムの城(1)
でかい獲物捉えりゃ、そりゃあ始まりますわ、宴会が。ちょうどいいいことに夕飯の支度をしているご家庭だらけであたりも暗くなって、オーロラが輝き始める時間帯だし、ことのほか大きな鍋で、それも侍女さんがぐつぐつ煮込んであたり一体にいい匂いまで漂い出したらもう辛抱たまらんとなって、一人、また一人と鍋を囲む人が増え、周囲に敷物まで敷いて、酒に食材持ち込んで、気がつきゃ、鍋があちらこちらでグツグツと音を立てて大勢が周りを囲んでいる。オーロラの明かりの元で街ぐるみで宴会に興じる人々。大人も子供も遠慮なく。その中に混じって、というか、中心にマーカス達の顔も見える。比類なき破壊力の野砲で蟹を倒した兵隊さんとのことで飲めー、食えー、と街の住人からの歓待を受けている。海尋は、気がかりがあり、蟹の体を調べていた。こんなにデカけりゃ港街に防衛手段の一つでもあるだろう。
しかし、そのようなものは無く、準備もしていない。いきなり現れる海洋怪獣なんて「ゴジラ」ぐらいのものだ。癇煩が騒ぎ起こして、鎮圧部隊を展開、事態の沈静化とともに事後処理。まるでこちらの能力を窺っているようだ。クロンシュタットの冷凍庫の中に収まる蟹の部品を眺めながら考える。
全長8〜10メートル。これも長く伸ばした状態だ。と言うのも甲羅の部分と尻尾の部分が海老のようになっているからだ。胴体から出た尻尾で立ち上がり、尻尾の尾鰭を掌にようにして、床に手をついた人間の腕のような格好で、尾鰭の代わりに生やした指で地面に爪をたてて這い回るのである。尾鰭の部分だけを見ていれば、まるでナウシカの王蟲だ、あんなに早くはないけど地面を掻きむしって這い回るところは正面から見ると物凄く怖い。そして手が四本。大きな鋏が左右に一本づつと口の真横に細い小さな鋏がついた食事用?の腕が2本。こちらの腕で、人間の腹を切り裂いて内臓を掴み出していたから食事前の細かい作業用だろう。甲羅と鋏とかなり硬い、頑張れば、斧で叩き割ることも出来るけど、こんなのが大群で押し寄せたら街も全滅だな、とクリスマス諸島の蟹を連想しながら手に持った木製の器を見るとすっかり凍っている。服にも霜と氷がっくついている。
「海尋ちゃん!何やってんだよ、全く!」とクロンシュタットが大声をあげて僕を冷凍庫の中から連れ出した。見るからに凍えそうな格好をしているらしい。
「締め出された南極観測隊員じゃあるまいし、何やっってんだよ。私らだって凍っちまうんんだよ!」
「器の代わりにダイナマイトと火炎放射器持たなきゃダメだね。」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!自分の状態調べてみろよ。」
確かに生体部品の動きが硬くなってきていると思いきや、そのまま湯船に放り込まれた。クロンシュタットの艦橋後ろに装甲板で囲まれた区画があり、そこがクロンシュタットのプライベートルームとなっている。その一箇所が浴室になっていて、タイル張りの底の浅い浴槽に浴槽に持ってた器ごと投げ込まれて、凍りついて硬くなった部分が柔らかくなる頃には周りの音も聞こえるようになってきた。
「一体何事です」これはサーシャの声だな
「あのバカったれ、冷凍庫の中で全身凍ってた」クロンシュタットの声だな
「海尋様っ!」
と浴槽のドアを蹴破る勢いでサーシャが顔を出した。
「あ、サーシャ。ちょうどいいや、全員に撤収準備と伝えて」
「失礼」とだけ言って僕の状態をモニターし始める
「いくら自動人形だからって、そのお体は凍るんですよ蟹と心中なんて嫌ですよ」
モニターに表示されるパラメーターを見ながらあちこちをチェックする。末端の関節部分がやられているらしい。
「しばらくお湯に浸かっていれば元通りになりますね。一体どうなされたのですか、何かご不審な事でも?」
お湯の中で、指をぐっぱぁ、ぐっぱぁと手の指を握ったり閉じたりして具合を確かめる。
「うん、それよか、帰投ついでに寄り道、ヘクセンの領主様が話があるってさ」
「そんんなもん向こうから足を運ばせればよろしいじゃありませんか」
子供っぽく嘴を尖らせて不平をこぼし、モニターを閉じる。
「撤収ですね承知いたいました。医療テントはどうします。まだ経過観察の怪我人もいたはずですが」
「そうだね、いきなり帰りますと言われても困るだろうから、ペレスヴェートとスコールイに何人か部隊の人間つけて残って貰おう。あ、宴会終わってからっでいいからね」
ではそのようにとだけ言い残し、アレッサンドラは浴室から出て行って、代わりにクロンシュタットが着替え持って入ってきた。何やら嬉しそうに顔が緩んでいる。
「海尋ちゃ〜〜ん。着替えここに置いておくよ〜〜」声もとっても楽しそうである。
畳まれた服を広げてニコニコしながらこちらに向ける。
「ほら、どうよ、これ」
とこちらに向けて見せられれたものは、チューブブラを伸ばしたような
うぐぐ、先ほど「お願いなんでも一つ聞く」と言ったばかりだ。覚悟を決めて、袖を通す。
(袖はないけど)黒い薄めの生地のものが横にあるけどこれはアレだよなぁ。
「ねぇ、クロンシュタット、一応聞くけど、ストッキングだけあって、下着がないのは直にはけってことでいい?」
そう聞くとクロンシュタットの目がまん丸になる。(すげぇ、美少年のパンスト直履きだよ、しかも何にも言わず旗袍も着てくれたし、私ってば、超果報者、日頃の努力が身を結ぶ。)
腰のあたりを引き上げて、全体にフィットさせる。ナニが押さえつけられて若干窮屈感があるけれど、何やらあったかい。女性が真冬にパンストの足で平気で表を歩いているわけだ、こりゃ。そして、トドメに赤いハイヒール。旗袍がロング丈なのが唯一助かっている。
「じゃぁCICに行かなきゃ」
海尋が部屋から出て行こうとすると、
「え?艦長って椅子に寝そべって余裕綽々で、こう、うい〜んって動くものじゃないの?」
アニメにも映画にも該当するものがないんだけど、一体何を見たんだ。
「まぁそんなわけで、海尋ちゃん、ささ、こちらへどうぞん」
と部屋の真ん中にあるソファベッドを勧めるそれにしても歩きづらいな。ヒールの高さに馴染んでいないせいか、どうにも体幹がふらつく。女の人はすごいなぁと思う。
良くもまぁこんな靴でツカツカ歩けるものだ。
片方に肘掛けがあり、そのまま横になっても十分足が伸ばせる。そこにいつも通りに和服の作法で座ると
「
一体僕に何を求めているんだ、確かアイドルマスターの水瀬伊織、え、23世紀でも超ロングランでAIによる新曲出てましたよ。サ終なんて言ったらユーザーの暴動起こるぐらいの人気があるゲームだから、初代のアイドルマスターシリーズなんかはもう聖典として崇められる始末で、何をとち狂ったか、k-popのグループに歌わせるなんてことになって、前力で全国のPさんたちがSNSや街頭デモまでやらかして最後は事務所突入して開発スタッフの髪のけ毟るなんてこともやったとか。まぁKーPOPがいかに嫌悪されているかわかって、息のかかった芸能事務所なんかも日本から追い出されてなんてことがあったよな。その時は興味持たないようにしていたのだけれども。
「ウフッウフ、ウフウフっふふふふふふうふふふ。やった、やりましたよ、お側でお仕えして苦節大体2年と三ヶ月。ついに、ついにわが野望成就せり。」
ソファベッドの後ろでクロンシュタットがクネクネと我身をかき抱いて踊っている。
あはっ、アハハハハ、ヒッヒッヒ、ふぇーっはっはっは!さぁ海尋ちゃん出航の号令を!!」
ウネウネ踊りねがらビシイッ!と人差し指をつきつけられて、ドン引きする海尋であった。
板につく、つかないといった言葉の通り、格好だけ真似してもボロが出るし、どうにも軽い言われた通りの格好で椅子に寝そべり、上半身を起こして傍に大きな扇子を持ったら、クロンシュタットが海尋の上体がもたれかかるように位置を調整して座る。
「ねぇクロンシュタット、悪役ムーブかますなら扇子よりキセルの方が良くない?」
「それもそうか、でもあたしらそん習慣ないしな、やってもすぐにボロが出る」
あーそっかぁ〜と言った顔をして海尋とクロンシュタットはCICに登っていった。
傾斜した穴蔵を登ってCICに顔を出すと、何故か全員揃っていて、ペレスヴェートとアレッサンドラはモニターを見て細々やっている。カフカース、オトヴァージュヌイ、スコールイはレーダーによる近隣照会と進路のチェックのようなことをやっている。
「艦長、入し・・・つ?」と号令を共に全員の目がこちらを向く。結構ヒヤヒヤだ。出だしでスベリ散らかしたお笑い芸人のようで、もうこうなりゃ「どうにでもなれ」だ。悪役令嬢ってどんなふうに、とは言っても僕がやったところでしっくりこないだろう。ところが、なぜだ皆揃って
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
絶叫がクロンシュタット(船)を震わす。逆にこっちがドン引きだよ。スコールイなんかは35mmの一眼カメラ持ち出してバシャバシャ写真撮ってるし。アレッサンドラとペレスヴェーとに至っては
「まぁまぁまぁまぁどうしましょう、どうしましょう」
と手のひら重ねてクネクネ踊り狂っている。なんか良くないもの召喚する儀式を見ているようだ。しかし、どんどこ燃やした炎の向こうに
「よくやった!美少年の黒パンスト、ハイヒールの御御足!」
なんて文字が書かれたパネルが自己主張してる。先ほど居残りを指示したペレスヴェートとスコールイも混ざって舐め回すようにねっとりとした視線を海尋に向けている。
「お前らいい加減にしろぉっ!」
この状況にブチ切れたのはクロンシュタットだった。しかし海尋の体をしっかりと抱きしめてのことなのでいまいち説得力がない。
軽い目眩覚えて。額に手を当てながら
「サーシャ、兵たちの武装どの程度まで進んでる?」
「ペレスヴェート、撤収の進み具合は?」
「スコールイ、カフカース、オトバージュヌイ全周警戒」
「セヴァスポートリ・・・、何やってんの?」
足元のセバスポートリに目を向をむけると指示を飛ばす海尋をローアングルからセバスポートリがレンズがたくさんついているカメラを回している。
「だって凛々しい海尋ちゃんの姿は映像記録と知って残しておきべきじゃないの、だから映像記録係〜」
そいういってイェ〜イとクロンシュタットと手をあわせる。
「クロンシュタットは舵をお願い」
もう諦めた、特にこの二人には何を言っても無駄だ。
旗袍のスリットから片足出して、扇子を大きく振って先を示し、
「第一主砲装填!弾種鉄鋼、第二主砲には榴弾、出力30%微速前進、一度海に出てから川を登る。・・・・クロンシュタット発進!」
お大袈裟な身振りでセンスで先を示しビシッ!っと格好をつける。開いた扇子の後ろ端を指に引っ掛けてくるっと回して閉じてから懐に収めソファベッドに身を沈めとクロンシュタットが動き出した。
なんかもう儀式めいてるけど、これやるかやらないかで全員もモチベーションが変わるんだよな、最初のうちは恥ずかしかったけど、もう慣れた。何かこう、自助さんが方の後ろ姿も違うっていうか
「やったるぜ!」と言った感じがひしひしと伝わる。
「あー終わった、終わった」
そうかんじた海尋にアレッサンドラから報告が入る。
「現在短機関銃三人、バトルライフル一人のチーム編成で調整しております。短機関銃にはヴォルクを優先、チーム指揮者にはバトルライフル持たせて・・・クローズドコンバットでもなさるおつもりですか?」
「流石だね、僕が危惧してることをわかってる。うん、それでいいよ」
「でペレスべヴェートは」
僕は港に残って迎えを待てと言ったけどなんでここにいる?と聞く前に先に解答が来た。
「経過観察の必要な者はそれほどおらず、また重症患者もおりませんので、携行用医療キット一つで十分と判断しましたので、それ以外のものを片付けている最中に出立準備がかかりましたのでこちらに。ぶっちゃけ、ほっといても原住民ですから、怪我なんざ唾つけときゃ大丈夫です」
辛辣だなぁ、現地住民への態度に出なきゃいいけど、その辺は上手くやるでしょ。何せ彼女は表裏の使い分けが上手い。
「ふーん、
「ふああああああ」と大きなため息と共にペレスヴェートの腰が下がる。
とそこまでの一部始終をクロンシュタットが脚を大きく開いて僕を抱き抱え髪の匂いを嗅いでいる。
「ああ、たまらん。超絶美少年お着替えさせて、後ろから羽交締めにして、ああ、この薄い生地の向こうに美容年の柔肌が・・・」
などとトリップしておられる。
「んじゃ、バイビー、後はシクヨロ〜」
なんの振動もなくソファベッドごと海尋とクロンシュタットの姿が斜め下に姿が消える。
モニター見ながら
「まぁ、なんてせっかちな」
そうペレスヴェートが呟くと、皆一斉に「はぁぁぁ〜」と息をついて、
「ややっぱり「《これ》」なくして「場」が閉まりませんわ」とアレッサンドラ、「コスプレ撮影会のような「勘違いなりきりっこザコレイヤー」とは違いますわね。目元が笑ってませんもの」
「そりゃぁカッコつけの軽佻浮薄キメ顔とはわけが違いますわ。基準排水量38、540tのガチ軍艦に人のっけて動かすんだから背中に背負ってるモンの重さがダンチやで」
「それは言い過ぎでしょ、オトヴァージュヌイ。いくらカッコつけたって、三流お笑い芸人の「アムロ行きまぁ〜〜す」程度のお寒い笑いしか取れないよ」
お前の方がもっと酷いわ。とスコールイ。カフカースが「辛辣だなお前ら、揃いも揃ってレイヤーに親でも殺されたんか」とカフカースが茶番のまとめに入る。が、まとまるはずもない、
だってCIC全体が次女さん各々から発せられる異様な空気の渦中にあるから。
「くっそ〜、クロンシュタットめ、うまいことやりやがって」
「美少年のパンスト直穿きだとぅ、けしからん、けしからんぞクロンシュタット」
「少年の体に張り付いたかのような薄い生地の肢体をあれやこれや、親に言えないような事、あああああ〜〜〜〜、も悔しいったらありゃしない」
「どいつもこいつもアホンダラばっかりやな」
「お、経験者の余裕ですかな」「「これで海尋ちゃんはうちのモンや」
と過去の黒くて恥ずい部分を冷やかされるカフカース。
「おし、そのケンカ買うたるわ、表でろや」
おどろおどろしい黒い渦巻くCICを後にしたクロンシュタットは、妬み嫉みその他云々の槍で突かれながら、海尋を羽交締めにしたまま自室に降りる。
「ああ〜〜敗者の嫉みが気持ちいいねぇ〜」と海尋に頬ずりしてじゃれついていた。
「ああ、至福至福クローズドって、城の中でドンパチすんの?」
「うん、多分。ブラバム公の城に招待って、出所のわからんどこの馬の骨かもわからんような者 何処の好き物が城に招くってんだ?しかも帝政側の武装集団だよ。感謝の意を示すだけなら直接足を運べばいい。つまらん理由こさえて、どうぞおいでください、だなんて見え透いた嘘に決まってる。家臣を見れば主人の器量が伺える、ってね。どうせ軍事力が目当てさ」
「拗れてんねぇ、もうちょっと他人を信用してもいいんじゃない」
「難しい話だね、所詮人間じゃないかエルンスト卿を見る限り腹何か隠してる」
「わずかに腹が出てるけど、サーラインは?サンダースは?どちらも人間だよ」
海尋の太腿をさわさわと
「確かに警戒しすぎってのはわかるよ。でも僕が消えちゃったらジャクリーヌちゃんとの約束が守れなくなっちゃう」
「節操のないおちんちんだな、誰よ、ジャクリーヌってあたしたちの他に女がいるの?」
ソファベッドの上で痴話喧嘩というよりは、一方的クロンシュタットが、海尋の体を弄る
一方海尋は「くすぐったぁ〜い〜〜、やめやめ、クロンシュタット」「あは、あははは、くすぐったいよ、クロンシュタット」
と海尋の体をなでくり回していたクロンシュタットの動きが止まる。浅い呼吸をしているから眠っているのかと思う。抱きしめられた手を無理やり引き剥がすのも心苦しいので、まぁこののままで良いかと思う。なんと言っても全く不快ではないむしろ抱かれ心地がよい。このまま眠ってしまおうかとは思ってもこの格好はない。薄手の旗袍にストッキングだぁ?伝染したら困る。しかし尻を撫でることをやめないのは無意識か?柔らかいベッドの上で横になっているとこっちまで眠くなってくる、そうでなくともクロンシュタットの体が暖かくて気持ちいいのに。
クロンシュタットは水辺にいた。丸太を縄で結んだ組み付けのひどくボロい。布っきれで入り口を塞いだひどく簡素な作りの建物だ。どうやら雑木林のある湿原のようなところに建てられた建物で、中に入ると布地を間仕切りに使っている集合住宅のように幾つもの部屋があった。そのまま部屋のひとつに入ると、窓のない布地だらけの部屋の中で。吐き気くぉ催すほどたるんだ皮膚が波打つ肉塊ともいうべき肥満体が必死に腰を動かしていた。
「いいよぉ、いいよぉ、ーーきゅん。うおお、いく!いく!、ボクちんの子種汁で孕めぇ!」
いったい何を見せられているのかとしばし呆然とするクロンシュタットが、男のは話の下を覗き込むと、黒髪の男の子が歯を食いしばって涙を流していた。事が終わって、男がの残り精子を少年の尻目掛けて自分の手で絞り出すと男の陰茎は血で赤くなっていた。生っ白い腹と、血と精液でピンク色に滑ったそれは、親指一本分あるかないかの大きさだった。あまりに悍ましい後継に吐き気が込み上がるがよくよく見れば、男の腹の下で涙を流していたのは誰であろう彼女の主である黒髪の海尋だった。
「手前ぇ、何してやがる!」ほとんど咆哮に近い声をあげて後ろ腰につけたホルスターから
ナガンリボルバーを引っ掴み、男の頭に三発。醜い腹に一髪、最後に陰茎ごと右手を弾き飛ばした。
「うぎゃぁぁぁぁっ ボクちんのチンポが、チンポがぁ」
「おい海尋ちゃん!」苦痛の呻き声をあげる男をベッドのの向こうに蹴り飛ばし、急いで海尋を抱き起こしてその場所から離れる。ところで我に帰るってぇか目をさます。
「ありゃ、あたし眠ってた?」
「人の体、撫でまわしながら眠るとは随分器用な眠り方だね」
「おう、あたしもびっくりだぜ。なんだろうな、すげぇデブに海尋ちゃんが犯されてんの」
「うん、ピロートーク向きの話じゃないことはわかった。聞いてるこっちの気分も悪くなる。」
「あたしもすっげぇ気分が悪い」
海尋の体を抱きしめるクロンシュタット。しかし撫で回す手は止めない。っていうか、さわさわと目的のない愛撫がしっかりと目的を持ってさわさわモニモニと激しくなってくる。
「・・っ、 ちょっと、クロンシュタットっ・・、その手つきは洒落にならないよ」
身を捩ってクロンシュタットの腕の中から抜け出そうとすると、背中からのしかかられる。
腰骨から下腹に回ったクロンシュタットの手の中で、パンストを突き破らんばかりに固くなって、パンストに押さえつけられて下腹にくっついた状態でパンストの上から上下にさすられて先から雫が溢れる。
「あぁん、駄目。駄目ぇ。」
腰を回して、振り解こうと、右手をソファベッドの肘掛けに伸ばすが、右手に力が入らずただ空を掴む。そのため、四つん這いの格好の上に覆い被される格好になり、背中とお尻が無防備になる。すかさず、海尋の股間を弄っていた手を尻に回して、ストッキングに滑り込ませて今度お尻を撫で回す。その間、空いた手で、胸を愛撫する。撫でまわし、先端を摘んでみると、先端が小粒の花の種のように、コリコリと固くなっている、。尻を撫でる手をそのまま潜り込ませてすっかり固くなったモノをを手首を回して、優しく握ると
「あぁん・・・はひ・・・ひあぁっ・・はひいっ!」
大きく喘ぐ海尋の腰から背中を愛撫する唇を、うなじから首筋へと持っていき、耳元で
「どっちも硬いよ・・・」と甘い声で囁く。爪の先でストッキングの前部分を切り裂くと
成人男性とほとんど関わらない大きさの、いや、反り返り具合は若い分だけこちらの方に歩があり、硬さも顔からは想像できない程で、その状態を確かめるように、そっと中指を裏筋から這わせて、指の先が濡れた先端部分に触れるとそのまま優しく握り込み、ゆっくりと先端を絞るようにしごく。
「あひっ・・・ひいっ・・・・ああん・・・あん・・・あん・・・」
海尋の体全体がきゅっ!と閉まる。その直後、身を捩ってクロンシュタットの首にしがみついてきた。
「クロンシュタットぉ、もう、・・・もう
「あたしももう・・・海尋ちゃんが・・・可愛いから、」
海尋の手を取り、自分の秘壺へ導くとそこはもう十分に迎え入れられるようになっていた。
「・・クロンシュタット・・・」もういいでしょうと言わんばかりに
クロンシュタットの上になり、体の位置を動か下かす海尋と脚を開いて海尋を迎え入れるクロンシュタット。
「ふあ。。はひぃ!・・・あああ・いひっ・・・ひん・・ひん・・ひああっ、ああっ!」
「んあっ・あっ。あっ・」合歓綢繆《ごうかんちゅうびゅう》のときは長いようで短く
クロンシュタットは昂まりのまま海尋を力強く抱きしめる。「んっ・・んんっ・・ふあぁっ!」と海尋が戦慄き、力なくクロンシュタッっットに覆い被さりその身を預ける。お互い息は荒いが、そっとその体を抱きしめる。身長差のせいで、頭を抱え込み、腰を引き寄せるようになり今ひとつ安定感が悪い。海尋は動かずクロンシュタットの腹の上で息を整えそのまま静かに眠りにつこうとしていた。
その頃、船のCICでは、エズラバーグに入ってから船の周囲を飛ぶトカゲに不快感を隠せないでいた。
「あぁ、もうっ!さっきからちょろちょろと鬱陶しい、ミサイルで叩き落としてやろうか」
ペレスヴェートが対空レーダーに映る無数の影に、イラついてミサイルの発射準備までして
あとはもう「ポチッとな」とボタンを押すだけであるって状況まで済ませていた。
「あかんでペレやん、今サーシャがてっぺん登って用件聞きに行っとるやないか」
「真夏の夜に耳元で姦しい奴らみたいに鬱陶しいのよ。話があるならきちんとトカゲから降りて来なさい」
「まったくもう」とかなりの御冠だが、それもそのはず、第一印象からして悪かった。航行中のクロンシュタットに対し発砲して来たのだ。マイクで音声を拾えば、「止まれ」ということらしい。なおも前進を進めるクロンシュタットにどうすることも出来ず周りちょろちょろと飛び回るしかない蚊蜻蛉にイラついていたのはアレッサンドラも同じ事で、「ちょっと行ってくる」と席を立ってクロンシュタットの測距儀の上まで登った。
(008>077 ちょっとストップ)
まぁ、なんにせよ、両名とももんのすごい機嫌が悪かった。、めっぽうとまではいかないものの、ちょっとツンケンとしてその被害を被るのは、周りの、この場合被害者はトカゲに乗って空飛んでる騎乗兵だろか。
ああ、勿体ねぇ、こんなに別嬪なんだから人当たりがもうちょい良けりゃぁ十分魅力的なんだが、それとも俺だけ?俺にか彼女に失礼なことしでかした、とわずかな時間、とばっちりを受けて、なんとか自分がおかしたであろう失礼を払拭しようとできる限りの話術で頑張ったが、余計に「おしゃべりな男」と悪印象を与えただけだった。
(077>008 :何かあった?平たく言えばに入場に丸一日かかるってことよ)
(008>077:船でブランセット・エニカに入るには、水圧エレベーターで入ることになるからその準備で丸一日待ってほしいそうよ)
(077>008:なんじゃそりゃ、水圧エレベーターなんてもんがあるとはびっくりだわね)
(008>077:まさかこんなに大きな船で来るとは思ってもなかったそうなのよ、せいぜいヴァイキングのロンングシップ並みで、それなら橋の付近の船着場で事足りるのだけれども
いかんせん、見たこともないデカい船だから)
(077>008:ちょっと待った、見たことのないデカい船が入れるほどその水圧エレベーターには大きさの余裕はあるのですか?)
(008>077:入ってに見なけりゃわかんないかけど簡単な測量して実際に測ってみるって)
「全艦停止!停止次第しばらくこの場に停泊する。錨おろせ!」
低速で進行していたので大して減速しないで済んだ。錨が下ろされると、トカゲに乗った騎士風の鎧を纏った男がロープを持ってクロンシュタットの全長を測り出した。ロープの長さが足りないのか、一旦ロープの端まで測ると、そこに目印をつけて、そこからもう一度ロープを伸ばして測り出した。
単位の基準がわからないので、具体的に273.5メートルといってもそれは一体何フルドだ?という有様でこちらが「フルド」って単位がわからない。
そんなわけで計測にも大変な労力を用いてやっとこさクロンシュタットの計測が終わると、エルンストを連れ立って入場準備が出来次第れんん楽に来るからといい残して飛びトカゲ達は城の方へと帰っていった。
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