疑念の応報

@tama2950

第1話 疑念の応報

 本宮敦子は常に夫に疑念を抱いていた。夫の名は本宮武則。結婚して約4年と微妙な月日が二人のあいだに流れた。決して仲がわるいわけではないが、夫婦といえども赤の他人同士であったごく一般的成人の男と女が結果的に不思議な巡り合わせで恋をしてやがて夫婦と言う枠に身を修め生活を共にするとはいえども、お互いに育った環境、百年共に生きようが同一の考えにはすべてかは知り得ないが、なかなか無いものと思える。本宮敦子は元々の性格にも起因するところもあるのかもしれないが、猜疑心、嫉妬の感情が比較的に強めの傾向があり、気性の激しい性格の部類になるだろう。本宮武彦とであった頃は、その性格をひたすらに隠し、自分を偽っていたが、元々の生来の性格故に持続しないのが現状である。偽り続けておよそ4年目にしてさすがに限界が来たのである。外で本宮武彦が浮気をしているのではないのかという根拠、証拠は何一つ今のところないが彼女は動物的勘により肌に感じているだ。そんなことで浮気を疑われて尚且つ責め立てられたらたまったものではないが一度着いた火を消すにはそれなりの時間とその火を消す「水」が必要である。本宮敦子にはその「水」が必要であった。

 本宮敦子は自分ひとりじゃ埒があかないと思い探偵に頼ることに決めた。

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