第105話
師匠の願いを聞き入れ、骨と皮を地面に埋めていく。
火葬して土に帰っていく師匠に羽を合わせて祈りを捧げる。
『どうか安らかに眠ってほしいピ』
念話が通じないことはわかっていても話しかけずにはいられなかった。
色々なことを教えてもらった師匠が逝ってしまったことで、俺の次の目標は決まった。
レッドドラゴンを討伐する。
師匠の仇を討つとかそんな話じゃない。
師匠を倒せるほどの相手に、俺は挑まなくちゃいけないんだ。
「ピヨ」
それに師匠を倒したことでレベルがカンストして、進化できるほどになった。
『進化するヒヨコはレベルがMAXになりました』
《進化条件を満たしました》
種族:進化するヒヨコ
称号:召喚獣、人の心を持つヒヨコ
状態:重症(生後3歳)
レベル:100/100
《進化先を表示しますか?》
《神の声》さん、よろしくお願いします。進化先を教えてください!
♢♢♢♢♢
《進化》
・魔黒鳥
・ヒヨコ最終形態
♢♢♢♢♢
《現在》
・進化するヒヨコ
♢♢♢♢♢
魔黒鳥とヒヨコ最終形態? つまり、ヒヨコとしての進化はどうあっても次で終わり。そして、魔黒鳥は進化するヒヨコで変化した姿だ。
どっちにしてもこれ以上の進化はないってことなのか?
《進化の詳細を見ますか?》
お願いします。
魔黒鳥
・八つの希少種と呼ばれる一種で、魔黒鳥して進化した存在。
全能力の強化及び全耐性
ヒヨコ最終形態
・ここまでヒヨコにこだわったあなたに神からの最後の試練です。黄金のヒヨコとなって、今のまま進化のヒヨコから次の進化に備えることができます。
能力値やスキルは増えません。
代わりに進化する種族が変更します。
なんだ、迷う必要のない選択じゃないか……
『ヒヨコ最終形態が選択されました』
相変わらず俺が伝える前に決めてしまうんだな、神の声さんは。
『それがあなたの選択であると私は知っていますから』
そうですか。
《フルバージョンの1:1進化を承認しました》
今回は選択肢もないんですね。
《では、推奨通り1:1進化を開始します。期間は三十日です》
一ヶ月か……。
《ヒヨコの最終形態は特殊個体な上に更に進化します》
まだ強くなれるってことだ。
ありがたいことに目の前に魔法陣が出現してくれた。
「ピヨ」
「ピリカ!」
アシェが俺を抱きしめてくれる。
伝えなければならない。
「ピヨピヨ」
「うん? どうしたの?」
俺は進化をすることをなんとか説明した。
「そうなんだね。うん。わかったよ。それが必要なんだよね。あと二ヶ月。ピリカは進化に時間を使うんだね」
「ピヨ!」
「わかってる。ピリカのことは絶対に私が守るから」
「ピヨピヨ」
ギュッとアシェが抱きしめてくれた。
《それでは進化を開始します。空の王の後継者よ。あなたに光と闇の神からご加護が在らんことを》
どうやら前とは違って、さらに強い進化をするんだな。
《全ての頂点にならんとすることを期待します》
始まるな。俺はアシェが用意してくれた寝床で進化を開始する。
この痛みだけは、何度味わっても耐えられないな。
バキバキに砕け散ってしまうような痛みが体を駆け巡る。
師匠から受けた傷はさらに広がり、骨はバキバキに砕け散っていく。
爪を吹き飛び、皮膚を引き裂かれ、筋肉を千切れていく、羽を全て剥がれ落ちた。
毎回毎回!! クソが! 血が足りない!!!
イテェー!!! めっちゃくちゃイテェー!!!
「ピギギギ!!! ピュー!!! ピューー!!!」
「ピリカ? 頑張って!」
アシェの声が聞こえる。
そうか、俺は彼女のためにも強くならないとな。
なんとか息をしようとするが、意識を保つことすら無理だ。
グウウウウウウウウ!!!!!!
♢
種族:ヒヨコの最終形態(黄金鳥)
称号:召喚獣、空王の後継者
状態:飢餓
レベル:1/300
H P:800000/100000000
M P:5000000/7500000
攻撃力:2000000
防御力:2200000
魔法力:2500000
魔法防御力:3000000
素早さ:100000
魅 力:10000
特殊スキル:
《神の声:レベル4》、《ステータス閲覧:レベル2》、《愛嬌》、《念話》、《探知》、《恐怖付与レベル3》、《威圧》、《残虐性レベル3》、《黄金鳥進化》、《進化時のみ飛行能力を得る》
通常スキル:
《鳴く(王の咆哮):レベルMAX》、《突く:レベルMAX》、《毒の嘴レベル5》、《風魔法:レベル9》、《水魔法:レベル7》、《闇魔法レベルMAX》、《毒魔法レベル5》、《鉤爪レベル4》、《毒の鉤爪レベル4》、《モフモフボディーガード:レベルMAX》、《硬化》、《進化時に全ての能力を五段階上昇》
耐性スキル:
《打撃耐性:レベル5》《斬撃耐性:レベル5》《重力耐性:レベルMAX》、《恐怖耐性:レベル5》、《火属性耐性:レベル7》《精神耐性:レベルMAX》、《毒耐性:レベル9》、《闇耐性:レベルMAX》、《氷耐性レベル4》、《風耐性レベル8》、《溶解液耐性:レベル2》、《進化時に全ての耐性を得られる》
称号スキル:《空王の後継者:レベル001》、《モフモフボディー:レベルMAX》
恩恵:瀕死の踏ん張り。
俺は30日間を耐え抜いた。
目が覚めた時、真っ黒だった俺の羽毛は黄金の輝きを放つ色に変わっていた。
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