第66話 ハエと対決 終
迫る溶解液の塊。
自信があったブラックホールを召喚で侵食されて、力量の違いを見せてくるハエに、俺は不敵な笑みを浮かべる。
面白いじゃねぇか! こういうピンチを超えてこそだろう。
水よ! 溶解液が液体である以上、水だ。
俺は大量の水を作り出してハエに向かって、溶解液を押し返す。
「GYA!!!」
溶解液に対して、ハエは耐性があるだろう。
だから、俺も水に毒を複合した合わせ技だ。
毒の水を受けやがれ!!!
「GYAAAAAAA!!!!!」
すでに解き放たれた溶解液と、現在進行形で水の柱を作って押し返す俺。
勢いが違うんだよ勢いが!!!
「ピヨ!」
「GYAAAAAA!!!!」
どんなもんじゃい! 怒り、悲鳴を上げるハエに俺はガッツポーズを決める。
ハエにぶつかって、分散した溶解液の雨を闇の結界で受け止める。
毒の水を大量に浴びたハエは、毎秒ごとに体力を消費することになろうだ。
食べられていたブラックホールも消して、互いに仕切り直しだ。
だが、今回は俺にアドバンテージがある。
相手は毒を受けて、それを解除するまでは体力が減り続ける。
互いにブラックホールと溶解液の塊を使ったことで、魔力の消費は激しく消耗している。
「ピーーーーーー!!!(王者の咆哮)」
だからこそ挑発してやる。
お前は逃げるのか? 逃げるなら俺の勝ちだ。
お前は二度も俺の前から逃げんるだからな。
「BBBBBBBBB!!!!!」
ハエの鳴き声が変わる。
それは始めてあった時のようなコチラを威嚇するような声だ。
くくく、つくづく。この森に住んでいる魔物は負けず嫌いだな。
生き残るために、もっとあがけよ。
「BBBBBBB!!!!!」
速攻で決めるために接近してくるハエ。
俺も鉤爪や羽に、毒を纏わせる。
「ピヨピヨ!」
羽ばたきによって速度は向こうの方が早い。
ヒットアンドアウェイでコチラの攻撃を受ける前に離脱していく。
相手はあの速度で体当たりをして、六本の腕に纏った溶解液でコチラを攻撃してくればいい。
こちらもモフモフボディーで毛並みを増やして、防御を固めながら毒の攻撃で応戦するがいかんせん、速度が足りていない。
防御を捨てて速度を取るか、このまま当たるまで防御を固めるのか?
モフモフ状態ではやっぱり動き辛い。
勝負を仕掛けるタイミングで防御から攻撃に転じなければ勝機はない。
相手の動きに合わせる。
タイミングをとって、落下してくるハエ。
コチラに合わせないように不規則に見えて、コチラの防御が硬いから段々と単調になっている。
向こうも変化をつけたいと思ったタイミングで……。
「ピヨ!」
「BBB!」
向こうこらコチラが防御しているのを崩そうと大きく勢いをつけた瞬間にモフモフボディーを解除する。
勢いをつけて、コチラへ仕掛けてきたハエの勢いを利用する。
カウンタードクドクアタックだ。
「ピーーーー!!!(王者の咆哮)」
気合いだ!
こっからは倒すまで肉弾戦をやめない。
「ピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ」
「BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB」
《レベルアップしました》
《レベルアップしました》
《レベルアップしました》
《レベルMAXに到達しました。進化が可能になりました》
ハァハァハァ。
終わった。
全身がダルい。
俺自身も溶解液を受けすぎた。
「グワっ!」
声が聞こえて振り返れば、ワッシーの姿が見えて、俺は意識を失った。
♢
《sideワッシー》
ワイは逃げた。
逃げた先で他のリザードマンと出会って、アルフィを預けて、ワイは兄貴の元へ戻った。
そこでは互いにボロボロになったヒヨコとハエが殴り合っている。
凄まじい光景にどうすれば、いいのかわからない。
兄貴も体に溶解液を受けても攻撃を止めないほどの殴り合い。
それが突然終わる。
次第にハエの手数が少なくなり、地面に落下した。
最終的に、黒いヒヨコが立ち上がって、空を見た。
不意にコチラに振り返って、そのまま倒れる。
『兄貴!!!』
ワイは黒いヒヨコを抱き止めた。
絶対に死なせへん。
兄貴はワイらを救ってくれた英雄なんや。
ワイは、他のリザードマンの元へ兄貴を連れて行く。
目を覚ますまで、ワイは誠心誠意兄貴の世話をした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
どうも作者のイコです。
明日は姉の結婚式なので、投稿をお休みします!
また、12日月曜日に!
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