お正月特別 SS
前書き
新年あけましておめでとうございます。
作者のイコです。
本日は、正月特別SSです。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
今年もどうぞよろしくお願いします!!!
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《side KFC団》
俺たち三人は一年で一番のイベントであるクリスマスで失敗した。
その汚名を、正月で挽回しなくてはいけない。
「おい、秘密コックF。あの情報は本当なんだろうな?」
「秘密コックK、間違いない。あのダークなヒヨコを連れた少女が一年の学園生活を終えて、実家に里帰りするそうだ」
「くくく、学園では教師や、あの学園長がいて、手が出せなかったからな。里帰り中なら問題なく邪魔が入らないから狙えるはずだ」
俺たち三人は揃ってコックとしての地位を下げてしまった。
だからこそ、あの食材を使った料理を作らなければいけないんだ。
「秘密コックC。作戦はあるか?」
「うむ。俺が思いついたのは、これだ! 盗賊に扮して馬車を襲い。狙った獲物を手に入れよう!作戦だ」
「そのまんまじゃねぇか!」
「もっと良い案はないのか?!」
「なら、お前たちが考えろよ!」
俺たちは料理を使うことに特化した頭をしているので、悪巧みを考えろと言われても思いつかない。
「まぁいい。とりあえずそれをするぞ!」
俺たちは年末最後の日に実家に帰る少女を襲うことを計画した。
どうやら父親が馬車で迎えにてきたようだ。
父親がいても関係ない。
学園長ほどのドラゴンを連れているわけではないだろう。
俺たち三人がいれば問題ない。
馬車が通る道を事前に調査して、待ち伏せした。
「そこの馬車よ! 止まれ!」
「なんだ貴様らは!」
「ピヨ?」
馬車からダークなヒヨコが顔を出している。
今すぐ捉えて調理したい。
「俺はKFC団、秘密コックKだ! そこにいるダークなヒヨコをこちらに渡してもらおう。そうすれば痛い目を見なくていいぞ」
「何言ってやがる! 渡すはずがないだろ?!」
「良いだろう。多少、痛い目を見てもらおうか?」
「なんなんだこいつらは!」
父親の声に我々は三人で名乗りをあげる。
「我々は世界の美食を求める者!」
「我々は究極の料理を作る者!」
「我々は様々な食事を見つける者」
最後にポーズを決めて完成だ。
決まったな!
「なっなんだなこいつは?」
「我々の使命を言葉にしてやったのに、理解力のないやつだ」
「もうどうでもいい。お笑い三人トリオってことか?」
「違う! 良いからそのヒヨコをこちらによこすのだ」
「お父さん」
ヒヨコのサモナーが父親に不安そうな顔を向ける。
我々も魔物以外に危害を加えたいとは思っていない。
ヒヨコを大人しく渡してくれるなら何もするつもりはないのだ。
「我が相棒である。ロープサーペントよ。ヒヨコを捕まえよ」
「シャー!」
「ピヨ? ピヨーーー!!!」
私の相棒であるロープサーペントが歩みを進めた瞬間、視界が真っ暗に染まって何も見えなくなる。これはヒヨコの魔法だ。
だが、前回のような重力攻撃は来ない。
あれはシルバーキャットの魔法だったようだな。
「ハンタークロー!」
高速で飛んでいくカラスが、ヒヨコを捕まえるために迫ってく。我々も対策をとっているのだ。
暗闇に対して、攻撃の順番を決めていた。
「地中を走れアモーレ!!!」
馬車を止めるモグラ。
完璧だ。
動きを止めて、上空と正面から相手を捉える。
ここまで上手くいくなど思ってもいなかった。
「ハァ、お前ら未熟だな。マルマジロ」
我々は何が起きたのかわからなかったが、突然凸凹のあるネズミが現れたと思えば空へと吹き飛ばされていた。
「はっ?」
「へっ?」
「なぜ??」
そう前回と同じく森の木に突き刺さった我々は、失敗した。
♢
《sideアシェ》
よくわからないKFC団とかいう人たちをお父さんのマルマジロが吹き飛ばしてくれた。
お父さんは昔に冒険者として活躍していたので、相棒のマルマジロも凄く強い。
「お父さん。ありがとう」
「ああいう頭のおかしい奴らは後を耐えんからな。アシェも気をつけろよ」
「うん!」
私は久しぶりの実家に帰って、お父さん、ピリカ、マルマジロの四人で年越しのお祝いをする。
お父さんが用意してくれた正月料理を食べて幸せ。
「随分と、アシェも立派になったな」
「へへへ、そうかな?」
「おう、ピリカを一日中召喚してられるようになったんだからな」
「ピリカ! これからも一緒にいようね」
「ピヨ!」
「おっ、年越しだぞ」
「うわ〜!」
私は実家に帰って、年越しの時間にお祝いをした。
そして、太陽が昇るのをお父さんとピリカ、マルマジロと一緒に見に行く。
「ピリカ、新年明けましておめでとうございます!」
「ピヨ!」
「今年もどうぞよろしくお願いします!!!」
「ピヨピヨ」
ピリカと一緒に過ごせるお正月を毎年迎えられたらいいな!
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あとがき
どうも作者のイコです。
「よろしくピ! ピヨピヨ!」
ヒヨコからの挨拶でした^ ^
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