クリスマス特別 SS

前書き


どうも作者のイコです。


メリークリスマスですね。

本日は、小ネタをSSで披露します。

ダンジョンなどの説明は後日出てきますので、この話ではスルーしておいてください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


《side KFC団》


 我々KFC団は、クリスマスには一大イベントを控えている。

 それは、最上皇様に献上する。

 一品を作って、献上するという使命だ。


 しかし、今年は最高の食材と言われる。


 鳥族の幻のレインボーバードを見つけることができなかった。


 1000年に一度現れるというレインボーバードの出現時期だったというのに。

 世界中にいる仲間たちと協力して、探したというのにどういうことだ?


 仕方なく、レイボーバードの代わりになる食材を探していた。

 私はある生き物を目に留めることになる。


 それは、黒い羽に幻のヒヨコと言われるダークなヒヨコだ。

 それがサモナー学園にいる?!


 そんなはずはない。

 

 禁断の奥地にいると言われる貴重なヒヨコで。

 人里に姿を見せるということはないのだ。


 それが……!

 

 そうか召喚獣として、召喚されたのか? だが、それならばサモナー学園にいることも納得できるが手放すことはない。


 ならば、奪い取るしかないが。


「おい、秘密コックK」

「なっ! お前は秘密コックCじゃないか? 久しぶりだな」

「お前もあのダークなヒヨコに目をつけたようだな」

「何っ! お前はあれを知っていたのか?」

「ああ、秘密コックFとスーパーなヒヨコの時代からな」

「どういうことだ?」


 私が話を聞くと、二人は少女がスーパーなヒヨコを連れているのを見て食材として欲しいと声をかけたこともあるそうだ。


 しかし、少女の意志は固くて譲る気はないという。


 だが、今年の献上品にあれほどのレア食材を他に見つけられるとは思えない。


「やるならば、協力するぞ」

「何? いいのか? 犯罪行為に手を染めることになるんだぞ」

「何を言っている。我々KFC団は、料理のためならばブラックマーケットにだって出入りするのだ。誘拐など犯罪に入らん。崇高なる料理のために」

「崇高なる料理のために」


 我々は決意をして、クリスマスに向けて誘拐計画を練り上げた。

 

 その結果、決行は12月23日。


 調査結果に寄れば、サモナー学園では、いくつか用意された魔物の訓練所にサモナーを伴うことなく魔物が勝手に訓練をする施設があるそうだ。


 あのダークなヒヨコは早朝に来て訓練をしているというスケジュールを手に入れることができた。


「決行は明日の午前中。ダークなヒヨコがダンジョンに入った際にやるぞ」

「ああ、任せておけ」

「俺も協力させてもらおう」


 俺たち三人は最高の食材を求めて、計画を決行した。


 第一の関門は、ダンジョンの門番をしているゴーレムだ。

 生徒が管理する召喚獣しか通してくれないというので、我々は魔物の着ぐるみを来て、盗んだ登録情報を操作して、ゴーレムへ提示する。


「……怪しい。本当に生徒ですか?」


 ゴーレムの癖に話をして、我々を拒絶しようとする。

 仕方なく、我々は不意打ちでゴーレムを撃退して、中へと飛び込んだ。


 ここからは時間との戦いだ。

 

 ダークなヒヨコを見つけて、学園をすぐに去らなければ、ゴーレムを倒されたことに気づいた学園の者たちがやってくる。



「ピヨ?」

「見つけたぞ!」

「うん? シルバーキャットもいるぞ! しかも立っている特別種だ」

「くっ! すまんが、相手を頼む。俺はダークなヒヨコを確保する」

「おう!」


 我々は召喚獣を呼び出して、ヒヨコの確保へ乗り出した。

 我が相棒である。ロープサーペントは魔物を捉えるスキルをたくさん持っている。

 

 体に巻き付いて痺れさせれば、こちらのものだ!


「いけ! ロープサーペント!」

「シャー!」

「ピヨ? ピヨーーー!!!」


 私の相棒であるロープサーペントが歩みを進めた瞬間、視界が真っ暗に染まって何も見えなくなる。


 続いて、物凄い冷たい風が吹き出して、吹き飛ばされた。

 それは仲間たちも同じだったようで、急激な重力魔法を受けて身動きが取れなくなっていた。


 一瞬だけ目を閉じた瞬間に、視界は戻ったが、ヒヨコとキャットの姿が消えている。


「くっ! 逃すか!」

「俺に任せろ! ハンタークロー!」


 高速で飛んでいくカラスが、ヒヨコを捕まえるために迫っていけば、我々は高密度の光の放射を受けてまた視界を奪われる。


「くっ! 動けるのはお前だけだ。地中を走れアモーレ!!!」


 目がないモグラが視界を奪われることなくヒヨコの足をとらえた!

 よし! これで目的が果たせる。


「ふむ。ゴーレムが倒されたので来てみれば、盗賊の類か?」


 そこには巨大なドラゴンを連れた白髭の老人がこちらを睨みつけていた。


 あっ、終わった!!!


 命からがらダンジョンから逃げ仰ることには成功したが、まさか学園長が出てくるなど思っても見なかった。


「あっ雪だ」

「今年はランクを落とすことになるな」

「ああ、仕方ない。互いに命が助かっただけでもだな」

「うむ。良いお年を」

「ああ、良いお年を」


 俺たちは互いの無事を喜び合って、クリスマスのイベントを一人で過ごす決意をした。


「そんなことで逃げられるとでも? やってしまいなさい」

「覚えていろよーーーーダークなヒヨコーーーーーー!!!」


 学園長が現れて、我々の体は宙を飛んだ。


 運よく着地できたが、本当に命があって逃げられることができただけでもよかった。


「絶対にダークな魔物をゲットしてやるからな!」


 しばし森の中で意識を手放した。



《sideピリカ》


 今日はとんでもない目にあったな。

 変な奴らに狙われるなんて思いもしなかったぞ。


「あ〜ピリカいた! 今日はクリスマスパーティーだから早く帰って来てって言ったじゃん」

「ピヨ」


 こっちも大変だったんだ。

 だが、約束を守れなくてすまない。


「無事に帰ってきてくれてよかった。さぁパーティーだよ」


 アシェに心配をかけてしまったな。

 ギュッと抱きしめてくれて、大きなパーティー会場に入っていく。


 クリスマスを学園内で祝いながら、美味しいご飯と巨大なケーキを食べる。


「さぁ、今年のメインイベントじゃ!!! 我が仕留めたレインボーバードである!! 皆で食べようぞ!!!」


 パーティー会場の中央に現れたのは巨大な七面鳥の丸焼きだった。


 それが切り取り分けられて口に入れる。


「ピヨ!」

「美味しいね!」

 

 アシェが嬉しそうな顔をして、俺の脳内では《レベルアップ》しましたと《神の声》が聞こえてくる。


 やっぱりレベルの高い魔物を食べるとレベルが上がるんだな。


 これも学園長からのプレゼントということだな。


 今年のクリスマスは、アシェと過ごせて本当に幸せだ。

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