ゴミ箱SS

白戸

第1話

なんとなくふとした時に吐いてしまう言葉がいつから「つかれた」と「しにたい」になってしまったんだろう。

たいして辛いことがあったわけでもないくせに腕を切って死んだ目をして生きる人生に嫌気がさして、自分の価値を誰かに認めて欲しくて体を売って更に惨めになる。

空虚、虚無、たまに惨めさ。

生きてて何が楽しいのかなんてさっぱりわからない。

でも死ぬほど辛いこともふんきりがつくことも無くてただそこにあり続ける。


下品な笑いで汚い手で雑に扱われてそれに合わせて自分も下品な笑みを浮かべる。

しょうもない会話、何が楽しいのか分からない。会社の悪口、奥さんの悪口、エトセトラエトセトラ。

今日もあなたの感情のゴミ箱にされて、性欲を吐きだして、1万円を捨てるように渡される。

自分は何歳までこんなこと続けるんだろう。

捨てようと思えば捨てられる関係。互いに替えがきく存在。ただ辞めるのも代替品を探すのもめんどうでずるずると続けてる。

愛も何も無いけど、捨てられた時、それを理由にしてもう自由になろう。

いつまでも馴染めない会社で悪口をヒソヒソと言われることも、蔑んだ目で見られることも、静かな家に帰ることも疲れてしまったから。

言葉のゴミを投げるなら自分をゴミ箱に棄ててくれ。


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ゴミ箱SS 白戸 @kazenoshirabe

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