第6話

本営より、2人の名は授けられた。

....謎の発狂メールと共に。

届いた時にマジのやつか分からなくてブロックしかけたぞ....


男の子の方はラファ

女の子の方はリアだ。


リアとラファは大きく育った。

ミルクを零さずに飲めるようになり、しっかりと座れるようになってからはとても驚きの毎日だった。

ハイハイをし始めて、動き回る双子(仮)が口に変なものを入れないようにするために片付けには気を張っていたが

特に後追いをして来るのにはお手上げ状態だ。

考えて欲しい、


必死に皿を洗い洗濯を干していると大泣きしながら抱きついて赤子らしからぬ異様な馬鹿力で締めてくるのだ。


1度だけ死にかけたのはいい思い出だろう。

育てながら何度も弱音を吐いたが結局2人が愛おしくて愛おしくて仕方がなかったから、やり切った。



現実時間にして72時間。この電子空間の時間

としては約720年。


2人は 神性としての思考を育み。成長していた。

今ではすっかり肉体....いや、電子体か?まぁどちらにしろ同じか。

体が成長していた。


リアは美しい銀の髪が腰まで伸び、女性らしい丸みを帯びた柔らかな、しかし女神らしく整った身体付きになり

ラファは獅子のようにガッシリとしているもののしなやかさのある身体付き....所謂細マッチョになった。


父親としてはとても複雑だ。

俺の電子記録はどこに家出したんだろうか.....矢張り神性って凄いな。

果たして俺の電子データは何処に家出したんだろうか?

是非ともラファはその筋肉を譲って貰いたいぐらいだ。

.....いや、要らんな。使いこなせん。辞めとこう

こんな感じでまぁ父親としては複雑なのである。


.....親と欠片も似てないってなんかなぁ??

現実ならまぁ家庭裁判物だろう。勝てる未来なんざ見えないけども。


そんなどうでもいい事を考えながらもすっかりと身に染み付いた家事の動きは止まらない。

サッとフライパンからソテーと野菜炒めを皿へと移すとリビングで六法全書(仮)を片手に仲良くお勉強....神としての世界経営学とかいうものらしい...をする2人に声を掛ける。

そろそろ2人の集中力も切れる頃合だし、腹も頭使ったし空いてるはずだ。

現に声を掛けた2人の腹からは気の抜けた音がしているし2人は赤くなっている。

頑張っている2人にはご褒美のお八つも用意しねぇとなぁ??

これまた可愛らしい反応をするもんだ。

俺の子供達が可愛くてニッコリだな。




「リア、ラファ。飯の時間だぞ~さっさと手ぇ洗いに行け。」


「「はい!母さん!」」


「 おう、父さんと呼びなさい。母さんじゃあねぇよ??」


「母さんだもん。ご飯も美味しいし、いっぱいお裁縫教えてくれるのだもの!これで母さんでないなら私たちは母さんを知らないわ!」


「父さんな????」


「いえ!母さんです!」


「たくもう!いい笑顔だな!?!!??」




大変遺恨の意。断じて俺は母さんでは無い。父さんだ

2人が初めて発した言葉が「ぱーば」でなく「まぁま!」だった時は泣いた。

俺ってもしかして女だった????

しかし現実のダチには


「お前、ゴリラな上に体力おばけな??」


と言われた。何だか複雑な気分になったから関節技をかけたと此処に残しておこう。

しかし、あの記憶も苦くはあるが大切な思い出だ。2人の可愛さで許す。


だがな??卵に魔力は流したがこれはそこまでおかしくないはずだ。父親でもやるだろ....???

神様とか育てるの初めてだから何が正しくて何が間違えているのかが全く持って分からない....うん、詰んだな

我に返ったら何となくダメな気がする。



2人を育てる上で、俺は幾つか決めていたことがある。



まずは最後まで愛情を注いで育てる事。これは当たり前だ、子供として迎える以上出来ないならやらない方がいい。

愛情を注がねぇで育った奴は道から外れても気付きやしない。

外れても教えてやれる奴がいねぇんだ。


産むだけ産んで、育てねぇのはクズだと昔、親父を袋殴りにしていた巫女服姿のお袋談だ。

あの人が言うことは斜め上のこともあるが大体的を得たことを言う。


次に人の視点で育て過ぎない事。こうして長く共にいると2人は本当に人の子供であるように感じる。


でも、違うのだ。2人は神性AI.....いずれは1つの世界を率いる事となる。

その上で人としての思考や観点は神としての寿命.....恐らく、永遠に続くであろうソレに毒だ。

長く生きる事となる以上、きっとこの子達は知ることとなる。

多くの出会いと別れを迎え、老いることなく、死ぬことも無く朽ちることも無い。ソレに気が付けばこの子達は苦しみ狂うとは予想が付く。

.....付いてしまうのだ

だから俺は人としての思考や観点は俺個人としての物で可笑しくないと断言出来るものを教えるだけ。

それ以上は教えない。



もしかしたらこの子達は本営から見向きもされずに唯のデータとしての存在となるかもしれない。

何なら忘れられる可能性すらある。

だからこそ、俺はこの子達の為に....俺のエゴの為に神としての神性を伸ばし、育ててみせる。

この子達がどうなるのか分からないのはバイトである故仕方は無い。

これもまた運命....と言うか社会である。

そりゃそうだ、このバイトは俺以外にも受けている奴は居る。


近所のゲーム廃人なお姉さん(仮)も受けているとか言っていた位だ。

もしかしたら本営が望んでいるのはガチガチの「神」かもしれない。

「人」としての思考が強い神かもしれない。


このどちらでもない2人は本営からはどう見られるのだろうか。




「?母さん?どうしたの?」


「カルシウム不足?」


「誰が更年期のおばさんだ。」




2人が手際よく手伝ってくれるので楽に皿を並べられる。

ここら辺はしっかりと教えた事だ。

神だろうと働かねぇなら家では飯はねぇ。

神殿で、信者が付いたんならやりたがる奴にやらせりゃいい。

哀れな人間さんにも寛大な心で世話されてやれ.....とは何年前に言ったことやら。



「なんでもねぇよ。ほら、座れ.....食うぞ」


「「はい!」」



今は、今だけは。

こうして生活を送ることを許して欲しい。



「いただきます」





﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎ ﹎



大変大遅刻ですみません!

お久しぶりですヌバタートです。



成長書こうと思ったけど私には無理でした☆


もしよろしければ、ハートや応援米よろしくお願いします......orz

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

神様育てて最強を目指す〜いいか?俺は男であって母さんじゃあねえ!!〜 ヌバタート @sharuratan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ