アイデンティティ・フォレンジック

大学生の山本 和斗は、自宅に帰ると、深夜にもかかわらず、両親と車がない事に違和感を覚えた。
酔いが回る中、近所を歩いて探すも両親の姿は見つけられない。
「まぁ、コンビニにでも行ったんだろう。」

おぼつかない足取りの中自宅へ戻ると、先ほどまで明かりの灯っていた自宅は、赤い炎に包まれている。
薄暗い街灯の下、黒いフードを被った人物と目が合ったのを最後に、意識が遠くなっていった。

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目を覚ますと僕は病院に居た。あの日のことを思い出し、頭痛に苛まれる中、医師は僕にこう告げた。
「君の中には、もう一人の《俺》が居る。」

あの日から始まった《僕》と《俺》の目的は一つ。
両親を殺害した犯人が誰なのか突き止める、ただそれだけだった。