妻よ!俺を推してくれ!

UVA

プロローグ

この世にはありとあらゆる沢山の娯楽が存在する。アニメやゲーム、漫画、テレビや舞台など。


そんな中で俺の仕事はというと…

「本日はご来場誠にありがとうございました!」


…舞台俳優であった。


「やっぱり西馬くんの演じるカイトはカイトだわ。」

「分かる。私推しじゃなかったのに客降りでやられた。」


客降りとは客席に降りてパフォーマンスをする…いわゆるファンサービスのことだ。


「やっぱり2.5次元俳優と言ったら早瀬西馬だよね。」

「今年の舞台で早瀬西馬を観ないことがない。」


常に某人気ゲームやアニメの重要キャラを演じている。

今最も旬で推せる2.5次元俳優と言ったら


…早瀬西馬


誰もがそう答えるだろう。実際1位にも輝いたのだから。








ただし俺の妻は…

「私の推しと近寄るな!」

だったり、

「解釈違いなんだよな…」

だったり、しまいには

「西馬のグッズ出た…最悪」といって、

<譲渡>

舞台「アイススピードthe stage」

アクスタ・ブロマイド

譲…カイト(早瀬西馬)

求…シオン(成川治)


と交換に出したりしていた。


妻曰く「交換しやすいのだけは嬉しい」と言っているのが腑に落ちない。



実際妻に聞いてみた。

すると妻はこう答えた。

「う~ん。なんていうの?夫としては好きではあるんだけどキャラとしては解釈違いだし声も違うしよね。うん。後毎回演じてるの私の嫌いなキャラか興味無いキャラだね!」

と一蹴されてしまった。そこまで言われると辛い。


ちなみに妻の推し俳優の成川治と言うと身長160センチの可愛い系キャラを多く演じる俳優である。

それに対して俺は…身長180センチ。


色んな脚本家や演出家に交渉したものの可愛い系は却下されてしまった。


そう考えてみると俺の役は女たらしの役や寡黙な役、俺様系など妻の好きな系統とは全くかけ離れた役である。






妻に推されたい!

客席から応援されたい!うちわ作って欲しい!








これはそんな俺と妻の闘いの物語。

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