「初めて」の衝撃を体験してほしい

これからこの物語に触れるのなら、ぜひネタバレは避けてたった一回の「初めて」の衝撃と快感を味わってほしい。

伏線が緻密に張り巡らされているにも関わらず全くいやらしくない。むしろ、回収された時点で、もう一度読み直したくなる。そして、知ってしまった事実を踏まえて、新たな感動を得るのだ。たまらない。

説明描写もなめらかに読者を世界観に誘導しており、そこに存在するものたちの生き方、文化、背景、人生が、滲み出て伝わってくる。
よくある教科書的な説明とは大違いなので期待してほしい。

とても繊密であるゆえに、文字を読むというよりも、文字が誘う世界を楽しみ、視覚化し、映像化し、快く導かれるまま体感していくことで、よりこの物語が心を揺さぶってくる。

言葉の豊かさと、巧みな世界観と、読むことの楽しさを、ぜひ心を澄ませて堪能してほしい。