第129話(最終話):The 1/x Probability of Winning in Love

 三重から戻った3人は、互いを気にかけ合いながら、各々の道を手探りながらに進み始めた。


 江奈はスロット開発のための知識を本格的に増やしていた。ハイエナが上手い江奈だが、ハイエナだけが得をする台を嫌う江奈が考える台は、スロットに進化をもたらすかもしれない。


 ナナは所属事務所に相談のうえ、パチンコライターや演者というものをアシスタントから学んでいる。彩乃と麻呂も、ナナの新しい目標を応援してくれており、パチンコを打たない彼女たちからのアドバイスはナナにとっては新鮮でとても頼りになっていた。


 イツキは、まずは大手パチンコメーカーでパチンコ制作やアミューズメント業界の基礎を学ぶべく、大学に通いながらインターンを始めていた。進む方向に一切の迷いがなくなったイツキはどこまでも実直だ。最近では、イツキが最初に作る台を、ナナがレビューするという新しい夢も2人の間に生まれていた。


 ーーもうすぐ、この街にもまた春がやってくる。


 ある日のパチンコ屋には、いつも通りパチンコを打つナナの姿があった。相変わらず、戦況は芳しくなく、負けているようだった。


「くーっ! 勉強のためとはいえ、結構負けっちゃったなーっ。でも、すっごく楽しかったーっ!! ってことは、勝ちかもっ!?笑」


 ナナはパチンコ屋から出ると、一度立ち止まりぐーっと伸びをしてから、駅に向かって歩き出した。


 人と物事の間には、それが上手くいくかどうかの確率が常に存在する。そして、人と人の間にも、その関係がどのように発展するかという確率が存在する。


 各人がそれぞれにとっての"大当たり"を掴むために、自分の気持ちや在り方そして生き方に必至に向き合う。それによって、そこにある確率はいかようにも変動する。ふたりの恋が確率変動するように。


 ナナが歩き去った足元には、1年前なら蹴飛ばしていたかもしれない小さな石が静かに転がっていた。



 fin.



 のめり込みに注意しましょう。

 パチンコ・スロットは適度に楽しむ遊びです。



 ==7==7==7==



 最後までご覧いただき、本当にありがとうございます!

 本物語は一旦ここで完結となります!

 続編を書く可能性もありますが、まだ検討段階になります。


 パチンコ×恋愛の物語、いかがだったでしょうか?

「パチンコをされる方」も「そうでない方」も

 少しでも楽しんでいただけていれば嬉しいです!


 ちょっと人には言いにくいことも

 自分が大好きだと思うのなら、胸を張るのも悪くない!


「この人生は1度きりだからねっ!!まじで思いっきり楽しんでこっ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

p ふたりの恋の確率変動 ~確定演出は出てないけど、内部的には当たってますよね?~ ミズ @miz98

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ