詩らしき知らざりき

@AKIHABARA

チックチック

チックチック


先生の説教にローファーがタップダンス

交番に引っ張られる足はねてスキップ

リラックスへ逆らった髪さか立った

チックチック陽気に歌うのどに何か言いたげ

な私

ヒジの折り目に隠した食べのこしの在処――

 (私は嫌いだけどみんながコソコソ美味そう

に食べているのを見たからしかたなく私も食

べたら非常に醜悪な味だった)

――を

鼻のひんまがった葦がしゃべった

(もちろんみんな私を睨んだ)

ロバの耳さきから魔女の爪さきまで

ぽっと赤くなったのを鏡が見せた

不思議とそれは自分らしく見えた

チックチック勝手に踊る指を組み敷いて上に

寝たら気持ちいいかなと考える私

ネットで調べて試しに幽体離脱したその晩は

空が高く紺く透き通って水と油のように月が

朝をどこかに追い出したむしろ日曜の正午よ

りずっと晴れやかだった

けれども下腹部がトゥラッタトゥラッタわめく午前七時三十分なので

しかたなく家に帰るのだった私

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