百均の包丁(フィクション)

西成‼️成人の女募集中‼️

百均の包丁

俺は百均で買った包丁を握り締め扉に手を触れた。





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「マジで死なねぇかな」そうつぶやきながら、スマホの画面をスクロールする、

画面の中にはキラキラした、いつか自分を嘲笑ったクラスメイトがいた。

怠惰な自分が大嫌いで、周りがもっと嫌いで、丸一日スマホを眺め陰鬱とした時間を過ごす日々に怒りを覚えていた。


「ガシャ」布団の中の缶詰めの空き缶が足に触れる、部屋はゴミ屋敷だ、今を忘れるために枕元の薬の瓶に手を伸ばした。


  「頭イテェ」

目が覚める、 ネットで誰か叩こうとスマホに手を伸ばすと時刻は夜8時、

小学校の頃には寝ていた時間だ。

無性にイライラして「死んでやるぁ」、そう叫ぶと

「ドンッ」と隣の部屋から壁を叩く音が聞こえてきて怖くなった。


いつもこんな感じで、昨日も、一昨日も、明日も、明後日も、

飯を買う時以外はずっと部屋で若い時間を無意味に食いつぶしている。


糞以下な自分と、きっと俺を軽蔑し馬鹿にしているであろう社会に無限の殺意を抱き俺は今日もネットの海に身を投じた。

見なきゃ良いのに流れてくるのは「障害ネタ」「チー牛」「無敵の人」「無職」「ホームレス」全部自分に突き刺さる言葉で、

誰かに憂さを晴らしたくて送る誹謗中傷も自分に向けて言ってるような感覚だった。



時には勇気を出したこともある、

学校の屋上に行って飛び降りようとしたり、自殺募集の#にアポを取ったり、

「楽してるだけだろ」とか「もっと辛いやつをたくさんいるとか」そんな言葉が頭に浮かぶが、働かず飯が喰える環境はありがたいはずなのに、無性に死にたかった。



「殺したい」いつしか、それが口癖になった。

面白くない自分の人生が、虐められて、その後もそれを引きずって内向的を気取っている自分が、

嫌で嫌で仕方なくて。

他人の笑みが、幸せが、どんな中傷より侮辱より苦痛で苦痛で腹が立って…。






ある時ふと見たニュース、

そこにはヒーローが映っていた

「青葉被告」京アニ放火の犯人だ。

自分のゴミみたいな人生ひとつ投げ捨てて、俺を馬鹿にする敵を何人も殺せたら…

そう思うと久々に生きた心地がした。





学生ズボンに黒いパーカーを着た俺は近くの百均のスーパーに入った、人を殺すんだ。




子供の時以来のドキドキした気持ちで帰路に着いた


明日は人を殺すんだ。

そう思うと、胸が高鳴った、

身の回りにあるのは異臭の漂う塵だけで、自分の中にあるのは後悔と社会に対する積年の怨みだけだ。




「どいつもこいつも、俺を馬鹿にしてくれてありがとう」


人を殺すと決めたその日…


 







俺は百均で買った包丁を握り締め扉に手を触れた。




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