【RTA】異世界シンデレラ・筋力全振りチャート3時間10分4秒

【RTA】異世界シンデレラ・筋力全振りチャート3時間10分4秒

　異世界シンデレラRTAはーじまーるよー！

　まず初めにこのゲームについて軽く説明させていただきますと、複数あるシンデレラのお話を一つにまとめたシミュレーションADVとなっております。

　大まかにはシャルル・ペローのサンドリヨンをベースとしつつ、√によってグリム童話等の要素も混ぜられているといった感じですね。

　え？じゃあ異世界要素なくね？と思ったそこのあなた。

　このゲームはシンデレラをベースにしつつ、色んな魔改造を施した異色作となっています。

　開発によると、途中でなんかいきなり出てくる魔法使いのお婆さんの存在をゲームとして落とし込んだ結果、ファンタジー的な要素が強くなり異世界シンデレラというゲームが出来上がったそうです。

　そのためステータスの中に魔力なんて項目もあります。

　チャートによっては自力で魔法を習得して継母たちにざまぁしたりお城の舞踏会にカチコミをかけるというものもありますが、今回は違うチャートですのでやりません。

　タイマースタートはステータスポイントを振り終えて母親が死んだところから、タイマーストップは王子と結ばれ幸せなキスをして終了したところとさせていただきます。

　そして気になる今回のチャートですが……。

　『筋力全振りチャート』でいくことになりました。

　色々ふか〜い事情が積み重なった上での筋力全振りチャートなのですが、そこらへんは後で解説させていただこうと思います。

　それではキャラクリから。

　名前はシンデレラとさせていただきます。

　これには理由があって、原作では主人公に名前はなくシンデレラ、或いはサンドリヨンという渾名しかありません。

　悲しいなぁ。

　そこで予めシンデレラorサンドリヨンという名前にしておくことでイベントを短縮できるというわけです。

　さてステータスは筋力、体力、精神力、器用、魅力、魔力の6つの項目に分けられています。

　筋力はそのまま。体力は継母や姉妹からいびられても行動回数が減少しにくくなり、精神力はメンタルデバフイベントへの抵抗が高くなります。

　器用はシンデレラの服飾関連のイベントに補正が、魅力は対人イベントの発生率等に補正がかかります。

　魔力は特殊ステータスで特定のイベントをこなさない限り意味はありません。しかし魔法使いルートへの鍵を開くと一気に自由度が跳ね上がります。

　異世界シンデレラの売りであるトンチキな進め方も可能になりますが、今回は筋力全振りチャートなので残念ながらその他のステータスは見送らせていただくことになります。

　やっぱ筋肉を……最高やな！

　はーいよーいスタート！

　オープニングとしてシンデレラが今の生活に至るまでの回想が挟まりますが全部スキップして構いません。

　原作では一切出番がないのに何故か立ち絵があって出番も追加され専用ルートなんてものまで用意された親父ィも、今回は原作同様空気でいてもらいますので飛ばします。

　そういえば勘違いされがちなのですが、シンデレラは普通にお貴族様です。

　シンデレラストーリーといえば平民が王子様に見初められる展開を思い浮かべますが、現実は世知辛いものですね。

　さてここからが操作開始となるわけですが…。

　ご存知の通りシンデレラのステータスは筋力全振りでその他のステータスには一切振っておりません。

　つまり継母や姉妹からちょっとでもいびられようものならすぐに動けなくなりますし、舞踏会イベントが始まる前にメンタルが荼毘に付して死亡ENDもあり得ます。

　もっといえば不器用なので家事もロクにこなせませんし、魅力がないので単なるモブA扱い。魔力もないので「そのとき　ふしぎなことが　おこった！▽」も魔法使いとの遭遇イベント以外ありません。

　ではどうするか。

　そのための右手、あとそのための拳。

「まあ、なんてみすぼらしい子なのかしら！」

「灰被り（シンデレラ）ですって？あなたみたいな穢れた芋女には相応しい名前ですこと！」

「そんなあなたに相応しい仕事を与えますわ！家の雑事の一切をあなたがやりなさい！」

　などと生意気なことをほざく継母や姉妹達を拳で躾けてあげましょう。

　ちなみに原作だと継母の出番はほぼありません。

　意地悪な継母という印象の強いシンデレラですが、原作でのヘイト要員はほぼ姉妹です。

「うごっ！？」

「ぐえっ！？」

「ひゃん！？」

　原作再現要素として、下の妹だけは他二人と違って幾分かマシな性格をしているので軽めの打撃に抑えておきましょう。

　下手にやりすぎるとイベントが増えてしまいます。

　彼女との友情√は王道ですが、残念ながら今回は姉らしく妹のために働いてもらうことにします。

　そしてここからが筋力全振りチャートの本領発揮です。

　本来ならこなさなければならない家事を、このチャートだと継母や姉妹達に押し付けることが可能なのです。

　つまりその分自由に行動できる時間が増えるということ。

　お城の舞踏会イベントが始まる前の仕込みを今のうちに済ませておきましょう。

　まずはキッチンにねずみ取りを仕掛けておきます。

　後で起こる魔法使いイベントでは強制的におつかいイベントが挟まるのですが、要求されるアイテムを事前に用意しておくことで短縮が図れます。

　そのために小さいネズミ×6と大きいネズミ×1を捕獲します。

　最速で2日で捕獲できます。

　大きいネズミはサイズによっては基準を満たせなくなってしまうので確認を怠らないようにしましょう。

　これに関しては運です。最速で捕獲できるよう祈りましょう。

　お次はトカゲ×6です。

　こちらはジョウロの陰を調べると大体いるので問題ありません。

　ネズミの捕獲までに1匹ずつしか捕まえられないなんてクズ運に見舞われない限りは大丈夫です。

　最後はカボチャです。

　その辺の畑から適当に取ってくるだけの簡単なお仕事です。

　いやあその辺にカボチャが自生してるなんて不思議だなー(棒読み)

　これらアイテムを3日目までに揃えられなければ即リセとなります。

　全てはネズミの集まり具合にかかっています。

　最速で捕まえられてくれよな〜頼むよ〜。

　そうこうしているうちに3日目になりました。

　なんと幸運にも一発でアイテムを揃えることができました。やったね！(4敗)

　あと必要なのは紙とペンですが、それはいつでも盗……入手できるので問題ありません。

　継母や姉妹たちが異常者を見るような目を向けてきていますが、気にせずお城の舞踏会イベントが始まるまで寝て起きてを繰り返して時間をスキップしましょう。

　さて、ようやく舞踏会の招待状が届きました。

　ここからが本番です。気を引き締めていきましょう。

　継母や姉妹達が水を得た魚のようにイキイキしだしました。

　シンデレラには招待状が来てないので、ここぞとばかりにマウントをとりに来たのでしょう。

「シンデレラ、お前も舞踏会に行けたらよかったのにね？」

「まあお姉さま方、からかわないで。私の行くところではありませんわ」

「お前の言う通りよ。あんたみたいなキ⚪︎ガイが舞踏会に行ったら、みんなが大笑いするからね！」

　本来なら灰被りと呼ばれるところですが、行動次第で妙なあだ名がつけられてしまいます。

　まあクリアには影響しないのでどうでもいいでしょう。

　この姉妹からの罵倒イベントが起こることによって豆腐メンタルのシンデレラが泣きじゃくり、魔法使いのお婆さんと出会うフラグが立ちます。

　因みにここで一定以上精神力に振っていると、普通に言い返したり二度と舐めた口が叩けないようにしてしまう可能性もあります。

　だから、筋力に全振りしておく必要があったんですね。

　本来なら更に街一番の服飾センスを持つシンデレラがこき使われるタイムロスが発生するのですが、このシンデレラは脳筋なので免除されます。

「どうして泣いているんだい？」

　やってきました魔法使いのお婆さん。

　ちなみに原作ではこの人は名付けの代母です。つまりカトリック教徒ですね。

　この作品でも似たような設定ですが、謎に使える魔法の設定を宗教と絡めて盛りに盛りまくった結果、それはもう深いストーリーが肉付けされております。

　ですが今回は筋力全振りチャート。

　そういった裏事情は全無視で最短距離を進みます。

　老婆に舞踏会へ行きたい旨を伝えると、おつかいイベントが発生します。

「畑へ行ってカボチャを取っておいで」

　はい、これが説明していたおつかいイベントです。

　本来ならこのまま何往復もさせられ多大なロスをする羽目になるのですが、これはRTA。

　事前に用意していたカボチャと小さいネズミ×6と運良く出た金冠サイズの大きいネズミ×1とトカゲ×6を差し出します。

「えっ」

　なにやら老婆が困惑しておりますが無視して進めましょう。

　それぞれ馬車、馬、御者、召使に変えてもらい、ボロの衣服をドレスに変えてもらい、最後に定番のガラスの靴を貰うと準備は万端です。

「何があっても真夜中すぎまで舞踏会にいてはいけない、12時をすぎると馬車はかぼちゃに、馬はネズミに、付き人はトカゲに、美しい服は、元の服に戻ってしまうよ」

　これで魔法解除フラグも立ちました。

　魔法使いルートだとそのまま魔法を維持して隠しイベントを見られたりもするのですが、今回は筋力全振りチャートですので()

　そうこうしてるうちにお城へ到着しました。

　さあ、ここで原作だと姉妹の100倍可愛いとかいう異次元の盛られ方をしているシンデレラの美貌が炸裂だ！

　と言いたいところですがそうはいきません。

　なにせ魅力も0なのでそこらのモブ扱いです。

　本来ならあまりの美しさに王子自ら誘いに来るレベルですが、このチャートでは招待状も持たない醜女がやたら着飾って乗り込んできた扱いです。

　厄介な城門は通れましたが、肝心のお城の入り口の前で足止めをくらってしまいます。

　このままでは衛兵に追い返されてしまうでしょう。

　ではどうすればいいか？

　そのための右手ですね。

　並みいる衛兵を薙ぎ倒して王子の下へ向かいましょう。

「な、なんだ君は！？」

　ここからがプレイヤーの腕の見せ所です。

　この作品はシャルル・ペローのサンドリヨンをベースとしているので、普通に進めるとその通りに進みます。

　なので舞踏会も二日続けて行われます。

　RTAとしてこれは見過ごせません。

　どうにか一日で終わらせる手段はないものでしょうか。

　そのための拳ですね。

　王子を無理矢理ダンスに誘い、不運（ハードラック）と踊（ダンス）らせましょう。

　こうすることで舞踏会は台無しになり、一日で終われます。

「誰かこの女をひっとらえろー！」

　もちろんこのままでは不敬罪で捕まってしまいますので隙を見て逃げだします。

　原作では他の貴族にオレンジやレモンを配って好感度稼ぎをしていましたが、筋力チャートではオレンジやレモンをぶん投げて衛兵の足止めをしましょう。

　そして忘れてはいけないのがガラスの靴です。

　これを忘れていかないと、ただ舞踏会を荒らしまわった謎の女が現れたというだけで終わってしまいます。

　わざとガラスの靴を置いていくわけですが、ここで前に言及していた紙とペンの出番です。

　原作通りにガラスの靴だけ置いていくと王子たちが犯人を探すのに手間取るので完全なタイムロスです。

　なので靴に家の住所と名前を書いた紙を忍ばせておきましょう。

　こうすることで明日の朝には王子自らやってきてくれます。

　本来なら王子本人がやってくることはありません。

　しかし一定以上のヘイトを稼いでいる場合、王子自らやってきて戦闘イベントが発生するのです。

　プライドの高い王族らしい高潔さですね。ありがたいです。

　無事に振り切って自宅に帰ることに成功しました。

　さて翌日です。

　早速王子が衛兵数名を引き連れてやってきました。

「昨夜の無礼な女を出せ！私自らの手で叩き切ってくれる！」

　ここで昨日落としたのがガラスの靴ではなく予めパクっておいた姉妹のアクセサリーだった場合罪をなすりつけることもできるので、興味がある人は試してみてください。

　今回はRTAなので即自首します。

　しかしここで大人しく捕まるだけでは単なるバッドエンドにしかなりません。ではどうするか？

　暴力、暴力、暴力！

　数名の衛兵くらいなら問題なく倒せるのでぶっ飛ばしましょう。

　昨日舞踏会を荒らすだけ荒らして帰ってきたのは、こうしてわざわざ戦力を落としてやってくる馬鹿な王子を釣り出すためだったんですね。

「こ、このキチガ──」

　そして最後に王子を倒します。

　ミニゲームが挟まりアクションが始まるのですが、ぶっちゃけそんなに強くないのですぐ倒せます。

　数回殴ってはい終了。あとは求婚するだけですね。

「わ、分かりました。貴方を妻に娶ります。だ、だから命だけはどうか……」

　王子からOKの返事も貰えました。

　最後に王子と幸せなキスをしてタイマーストップ。

　記録は3時間10分4秒でした。

　さて、完走した感想ですが……。

　今回筋力全振りチャートを走ったのは、一番簡単で効率が良かったからです。

　他のステータスだと体力や精神との振り分けが難しく、行動に制限がかかりがちでした。

　その点筋力チャートだと家事はしなくていいし大体腕力で片がつくので操作も楽チンといいとこづくめです。

　今回はこんな脳筋チャートをひた走ることになりましたが、本来の異世界シンデレラはもっと複雑なフラグとルートが作り込まれた名作ゲームです。

　これ以外にも定番の魔法使いルートや妹との友情ルート、父親との禁断の愛ルートなんかもありますので興味があれば買ってやってみてください。

　それではー。

　異世界シンデレラ。

　エンドロール。

　昔々あるところにシンデレラと呼ばれる娘がいました。

　お母さんが亡くなり、お父さんは新しいお母さんと結婚しましたが、二人目のお母さんはとても意地悪で、義理のお姉さんたちからも見下され、家の仕事を押し付けられそうになりました。

　しかしシンデレラは生まれ持った怪力で二人目のお母さんと義理のお姉さんたちを返り討ちにすると、逆に仕事を押し付けました。

　そうして暇になったシンデレラはよその畑のカボチャを盗んだりとやりたい放題。

　ジョウロの裏にいたトカゲを6匹、家のキッチンに仕掛けた罠でネズミを7匹捕まえたかと思うと、毎日寝ては起きてのぐうたら生活を続けました。

　家族は大変怯えながら暮らしました。

　ある時、国の王子様が舞踏会を開くことになり、お姉さんたちは美しいドレスを着て行きましたがシンデレラは連れて行ってもらえませんでした。

　意外とうたれよわいシンデレラが泣きだすと、魔法使いがあらわれました。

「畑からカボチャを取っておいで」

　そういわれたシンデレラはなぜか事前に用意していたカボチャやネズミ、トカゲを差し出すと、魔法で馬車や馬、運転手さんやメイドさんに変えてほしいと要求しました。

　おばあさんは困惑しましたが、シンデレラの望みを叶えると、ガラスの靴までくれました。

「何があっても真夜中すぎまで舞踏会にいてはいけない、12時をすぎると馬車はかぼちゃに、馬はネズミに、付き人はトカゲに、美しい服は、元の服に戻ってしまうよ」

　シンデレラは分かりましたと約束して舞踏会へ行きました。

　しかし招待状も持たないシンデレラはお城に入れてもらえません。

　癇癪を起こしたシンデレラは門番を倒すと、むりやりお城に入って王子様にダンスを踊らせました。

　これには王子様も大変怒りました。

　シンデレラはオレンジやレモンを投げつけてなんとか逃げきりましたが、ガラスの靴とお家の場所と名前が書かれた紙を置いていったので、すぐに見つかってしまいました。

　お怒りの王子様は数人の兵士を引き連れてシンデレラのお家にやってきました。

　そして兵士たちにシンデレラを捕まえるよう命じますが、シンデレラは強いので次から次へと返り討ちにしていきました。

　最後にシンデレラは王子様を打ち倒すと、見事王子様はシンデレラの強さを認め、結婚の誘いを受けました。

　王子様はシンデレラをお城へと連れて行き、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。