Cold Man
Unknown
Cold Man
先日、俺はネットで知り合った女の子とホテルでセクースした。そしたら悟った。俺に恋人は必要ないって。なんか色々どうでもよくなった。こうして手軽に欲望を発散できる相手だけ居れば、それでいいのではないかと思った。都合のいいセフレだけいれば俺は満たされると思った。精神を病んでいるけど、かわいいし、優しいし、今後もこの子とやれるなら嬉しい。そのうち誕生日を迎えるらしいから、俺はその子へのプレゼントを考えている。足りない頭で考えている。喜んでもらえたらいいな。
俺は人間のことがどうでもよくなってしまった。みんな自由に生きればいい。楽しく生きればいい。俺も自分の好きに生きる。
俺は肉欲を満たしたいだけのクズです、か。
もう人間と深く関わらない方がいいような気がしている。深く関わってしまうと、相手の為にも俺の為にもならない。他人を傷付けるくらいなら、もう個人と深く関わるべきではない。俺は幸せになっちゃいけない。そういう欲求を持つべきではない。
幸せはやばいんだ。麻薬や覚醒剤よりもやばいんだ。
元々俺は人間の事も自分の事も好きじゃない。いじめは良くないって言っておきながら、いつでもどこでもいじめは起こるし、戦争は良くないって言っておきながら、戦争は常に起きている。だから人類のことは好きではない。
子供に教育を行う大人はみんな子供です、か。
先生、あなたの言ってた言葉の意味が分かった。本質なんてどこにも無いんですね。
高校の卒業式の日、俺は担任と握手した。「unknownはこれから先、大変だと思うけど頑張れよ」と言われた。ものすごく大変でしたよ、実際。
まともな大人になれなかった。
俺の部屋には缶チューハイの空き缶が転がりまくっている。もうどこにも問題の答えはない。
俺に哲学や思想は何もない。考えるのが面倒になってしまった。というか、考えても無駄だということに気付いた。俺は個人の生活を向上させることを考えた方がいい。
綺麗事が嫌いなあなたに、綺麗事が嫌いな俺が差し出した言葉は、最終的には綺麗事になってしまった。好きな人が自殺するのはやっぱり寂しい。俺が学生だった時、いじめはたくさん周りで起きていた。社会人だった頃も、その場にいない人の悪口で盛り上がる社員ばかりだった。
イスラエルとハマスの戦争のニュースを最近テレビでよく見る。大の大人が幼い子供のように泣いてる姿を見て、胸が痛んだ。
戦争なんて無くならねえよ。学校や会社の小さな規模ですら人間は仲良く出来ないんだから。
あなたは自分のことが嫌いだけど、俺はあなたの良いところを沢山知っていた。言葉で伝えた。
気に入らない人は殺されるし、かわいい女は猿に強姦される。
高校生の時、大好きだった女の子が見知らぬ中年の男に強姦されて精神に異常をきたした。俺は憤激の念に駆られて犯人をぶっ殺そうと思ったが、犯人を特定できなかった。俺が知ってたのは犯人の外見的特徴だけだったからだ。紙袋の中に包丁を2本入れて、高校もサボって犯人をずっと探していた。紙袋に包丁を2本入れていた理由は、人間の血が包丁に付着すると途端に切れ味が悪くなるという情報を知っていたからだ。
仮に犯人を殺したことで当時の俺が少年院に入ることになっても構わなかった。そのくらい俺はその子の事を愛していた。
世の中の不条理さを俺は知りまくった。
世の中、罰せられていない犯罪者が山のように存在している。
俺の好きな女の子を強姦した犯人も結局は捕まっていない。彼女は泣き寝入りした。そして高校に行けなくなって中退した。
あれから10年が経った今でも俺は強姦の犯人を許していない。心から、死ねばいいと思っている。
昔のことを思い出すと苦しくなる。特に高校時代のことは苦しい。だから普段は全く思い出さない。いろんな思い出はあるが、どれも暗い。明るい思い出なんて一つもない。ずっと苦しかった。ずっと死にたかった。
結局俺は人間界における不良品だから、みんなが当たり前にできることを当たり前にできない。そこで精神を病んだり、歪んだり、曲がったりした。
でも俺は自分をかなり恵まれていると思っている。
イスラエルの戦争で、大切な人を失って大泣きしている大人の姿を見て、俺は少しだけ泣いた。
でも戦争なんて絶対に無くならない。
世の中、頭の悪い大人が多すぎる。子供みたいな大人が多すぎる。
ロックバンドがラブアンドピースとか歌うことに意味は全く無い。
理不尽なことは、多い。
その時に最善だと思った選択をみんなしている。でも、あとから大きな間違いだったと気付かされる。人生はそんな失敗の繰り返しだ。
誰も、失敗したいと思って失敗してる奴なんていない。その時に選べる最善の選択肢を選んでいる。でも失敗する。
俺も失敗ばかりだ。
人間は結局みんな独りぼっちだ。だから一瞬でも他人と繋がろうとする。
俺があなたと繋がりを持ったことは、間違いだったのかもしれないが、それでも俺はあなたと出会えてよかった。
終わり
Cold Man Unknown @unknown_saigo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
お前の痛みや悲しみは俺のもの/Unknown
★21 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
埼玉に行って女の人と遊んだ/Unknown
★15 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
さよなら三角またきて四角/Unknown
★15 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
刃/Unknown
★18 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます