赤い帽子
ミエリン
赤い帽子
ある晩、町に住む少女・佳子は夜の森に迷い込んでしまいました。佳子は帰る道が分からず、不安になっていましたが、幸いにも一軒の家を見つけました。
家に入ると、そこには老婆が一人住んでいました。老婆は優しそうな笑顔で佳子を迎え入れ、夜ご飯をごちそうしました。
佳子は食事を終え、老婆のお話しに耳を傾けました。老婆は昔、この町で起きた悲劇について語り始めました。
「この町には一人の若い女性がいました。彼女は美しく、気品もあり、多くの人々から慕われていました。しかし、その女性に一つだけ問題がありました。それは、彼女が赤い帽子を着用していたことです。」
佳子は興味津々で老婆の話を聞きました。
「ある晩、彼女はこの森で事故に遭い、亡くなってしまったのです。彼女の亡霊は町の周りを彷徨い、赤い帽子を被った人々を次々とさらっていきました。それがこの町の呪いとなったのです。」
佳子は少し怖くなりましたが、老婆は続けました。
「しかしある方法で、その呪いを解くことができたのです。それは、赤い帽子を被った者がやってきた場合、その人を逃がすことなのです。」
佳子は驚きましたが、老婆の言葉に従わなければと決心しました。
数日後、佳子は街で一人の男性が赤い帽子を被っているのを見つけました。佳子は忍び足でその男性の後をつけ、森へと案内しました。
森に入ると、男性は佳子を見た瞬間、驚きました。
「な、なぜ私を連れてきたんだ?」
佳子はおびえながらも、思い切って語りました。
「申し訳ありませんが、赤い帽子を被った人を逃がすことで、この町の呪いを解くことができます。だから、お願いです、赤い帽子を脱いでください!」
男性は驚きながらも佳子の言葉を信じ、赤い帽子を脱いでくれました。
すると、その瞬間、森の中で何かが動き出したような気配がしました。
佳子と男性は急いで逃げ出し、無事に町へ戻りました。
その後、町では赤い帽子を被ることがなくなり、人々は安心して過ごすことができるようになりました。佳子はその日以来、赤い帽子を見ると必ず声をかけ、町の平和を守る役目を果たしました。
赤い帽子の呪いから解放された町は、再び明るく幸せな日々を送ることができるようになったのでした。
赤い帽子 ミエリン @mie0915
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