Bravely
轟木 うるま
第1話 1つの机
僕は木皿 結介、どこにでもいる普通の高校生。
でも、少しというかかなり真面目な学生、
テストの点数は500点中492点、満点まではまだまだだ。そして、成績は中学1年生の頃からオールA以外を取ったことがない。そんなこんなで僕は今、高校2年生だ。
「……ここは、この公式で……」
僕は3時間目が終わった休み時間、前の時間にやっていた数学IIの復習をしていた。みんなは仲のいい友達と世間話でもしているのだろうか、
「……よし、終わり」
次の授業が始まる前に、数学IIの復習を終わらせ、片付けを始める。次は確か生物の授業だったはず、遅れる訳にはいかないから、早速理科室へ急ぐ。
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「……早く帰って、予習と復習をして、今度のテストに備えないとな……」
放課後、僕はそんなことを言いながら、教室の片付けをしていた、片付けと言っても全員の机の位置を正しい位置に戻して、窓とドアの戸締りを確認するだけだから、全然苦ではない。
「……あれ……?」
半分ほど机の位置を直していたら、ある1つの机にラクガキがされていたのを発見した。
「…誰だ、こんな酷いイタズラをするのは……」
学級委員として、こんなものは見過ごせないと判断した、とりあえずラクガキを消すことにした、僕は教室に常備されている新品の雑巾を手に取り、廊下の水道で水を染み込ませ、机を拭いた。
「…明日、みんなの前で注意喚起をしなきゃな……」
そんなことを呟きながら、ラクガキを消していると、
「意外と消えないものなんだな……」
「……」
「……ん…?」
ふと視線を感じた、僕が廊下の方へ顔を向けてみると、1人の女性が僕の方を見ていた。咄嗟に目が合ってしまい、その場に固まってしまう。
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私の名前は古橋 亜美、会社を経営している父親の家に生まれた、姉妹の姉。親は私が小学生の頃から妹にばかり時間とお金を使って、いつも妹ばかり待遇を受けている。勉強もスポーツもいつも妹に負けていて、惨めな生活を送っている。
「もう、やだよ……、学校に、行きたくないよ……!」
ある日、私は我慢の限界が来て、お母さんに訴えかけた、私は学校でいじめを受けていた。クラスメイトには妹より出来ない姉というレッテルを貼られ、いつもバカにされてきた。そのせいで変な噂も流された。中学2年生の頃の話だった。
「……え?ㅤ何言ってるの? あなたは他より勉強が出来ないんだから、ちゃんと学校に行きなさい」
「え……、で、でも……」
「もう少しで、亜紀のピアノの時間だから、
留守番よろしくお願いね」
「……」
何も変わらなかった、訴えても何もしてくれなかった、いじめは中学校を卒業するまで続いた。
そして、私はなるべく遠くの高校へ進学することにした。あの時のクラスメイトと合わないようにするために。
「……やっぱり、行きたくないよ……」
でも、何も変わらなかった。あの時のクラスメイトのことをそのまましているように、いじめが高校でも起きてしまった、怖かった、やがて私は不登校になってしまった。
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今日は久しぶりに学校へ行った、保健室にいたけど授業の内容やプリント類は先生がしてくれた。先生は悪い人ではないんだろうけど、やっぱり信用できない。
「……偶にでいいから、授業に来てくれよ、
大変なことがあったら、言ってくれていいから」
先生はそう言って、保健室を後にした、私がしばらく先生の言葉に答えるかどうか考えて、保健室の先生に言う。
「……教室見てきても、いいですか…?」
「え? 授業終わってるけどいいの?」
「……はい、その方がいいので」
「じゃあ、行ってらっしゃい。何かあったら直ぐに戻ってきてね」
「……はい」
保健室の先生はにこっと笑って、私に述べた。
そうして私は保健室を出て、教室へと足を運ぶ。階段を1歩1歩登る。やはり気分は良くない、あの時のことを思い出してしまう。
「……やっと着いた」
クラスは2年3組だったはず、近付くと電気がまだついていて、誰かがいるようだった。そっと教室の中を覗いてみると、自分の机の場所に誰かがいるようだった。
「……」
気付くと私は体を出してその人のことを見ていた、よく見てみると男の人がラクガキだらけの復習私の机を綺麗にしてくれていた。
「「……」」
咄嗟に目が合ってしまい、私もその人もその場に固まってしまった、夏の終わり、セミの声がまだ少しだけ聞こえる、辺りは夕焼けで赤く染まっていた。
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新しいの出しました。
轟木 うるま 復活記念作品です。
しかと見やがれぇぇっ!
もう1つの作品と一緒に続ける予定なので、
評価よろしくお願いいたします。
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Bravely 轟木 うるま @SENDAIsaiki0102
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