第4話 妖怪進行軍

213:万物の支配者

お前ら、ちゃんと反省してるのか?


214:イッチ

ごめんなさい


215:輪廻の帝王

本当にすみませんでした


216:万物の支配者

ちゃんと反省してるみたいだな

今度そういうくだらない喧嘩したら拳骨しに行くからな


217:イッチ

も、もうしませんから許して


218:輪廻の帝王

>>217 全くの同意見でございます


219:名無しの転生者

支配ニキが強すぎてテラワロス


220:輪廻の帝王

バッキャロー!お前らは知らないかもしれないけど支配ニキはコテハン組の中でも上澄の上澄なんだよ!


221:名無しの転生者

え?それってマジ?コテハン組の上澄ってもっとイカれてるのかと思ってたんだけど


222:輪廻の帝王

アホか、支配ニキは既にイカれてるわ


223:万物の支配者

おまえらさぁ、本人を前に毒を吐きすぎだぞ?


224:イッチ

そうですよ、可哀想だとは思わないんですか!?


225:万物の支配者

言っとくけどお前も同類だからなポンコツイッチ


226:イッチ

う、嘘……!?∑(゚Д゚)

あ、僕はそろそろ掲示板から抜けてダンジョンを探索しに行きますね


227:輪廻の帝王

おう、行ってら



_____________


「どのくらいこのダンジョンのは調査が進んでる?猫又」

「儂の眷属である猫達の情報によりますと、このダンジョンは624階層あり、今この階層より上に上がる事は出来そうにありません」

「そうなのか……人間の出入りはあったのか?」

「私の式神によりますと、人間達は、階層を上がったり下がるのは意図的に可能みたいです」


イッチ、雨晴燐あまはらりんの目の前に跪き、そう報告しているのは、茶色の猫耳と茶色の尻尾を二本生やしている妖怪は猫又。そしてもう一人、平安時代の最強の陰陽師にして、十二天将である式神の主人。安倍晴明である。


何故陰陽師の中で最強とされている安倍晴明が燐の眷属妖怪としてなっているのかは、モンスター達を眷属妖怪にした後、融合などをしていると、安倍晴明の魂を持った妖怪が生まれたからである。


「なるほど、僕達がモンスターと近い性質、妖怪だから上がらないのか。晴明って元人間なんでしょ?だったらダンジョンの上に登る事って出来ない?」

「ご冗談を。もし私が上がれるのであれば、元人間である燐様が上がれないはず無いでしょう。それに私は純人間という訳ではありませんので」

「だよね、そんないい話は無いか。しょうがない、下に降るしか無いよね」


燐がそんな事を口にすると、燐の目の前にいる晴明と猫又は「はっ!」と了解という意味を含んだ声を鳴らし、燐の背後にいる眷属妖怪達も晴明と猫又と同じような言葉を発する。





「まだまだ低階層とは言え、このモンスター達は弱いですね」

「当たり前でしょ、ウチの眷属妖怪達って一体だけでもこの階層のモンスター達を殲滅出来るんだよ?晴明はその眷属妖怪達の中で最強ってなってるんだから妥当だと思うよ」


燐と晴明はそんな会話をしながら、襲ってくるモンスターを倒していく。晴明も燐も、素の身体能力が飛び抜けており、霊力や妖力での強化比率も他の妖怪と比べると格段に高い。そしてそれだけでは無く、燐は『百鬼の主』の第二能力を開放した事で、身体能力や『百鬼の主』自体の能力も上昇している。


「確かに私が眷属妖怪で一番強いのは分かっているのですけど、全盛期と比べれば格段と力は落ちていますから」


晴明はそんな事を言った後、自身の妖力を形として作り、モンスター達へと放射する。モンスター達はその攻撃に反応する事は出来ず、晴明の攻撃が当たった。


「弾けた。……晴明がやったあれってただ妖力を形にしただけなんだけどね。史上最強の陰陽師がこれほどとは……」


燐は表面上驚いたように口にしているが、内心は全く驚いていない。何度か晴明がこうやってモンスターを爆散させる姿を見ていたからだ。


「■■!!」


晴明の攻撃でモンスター達は散ったと思われていたが、モンスターは集まり、その道を塞がんと言わんばかりに立ち塞がる。燐はそのモンスターに対して少し怒りを抱きながらも、妖力を大きなハンマー型に形成し、そのハンマーの持ち手を両手で掴み、モンスター達に向かって振る。


「さっさと……退いて!」


燐のハンマーがモンスターに当たると、大きな破裂音が響き渡った後、ハンマーがモンスター特有の黒い血で濡れた。


燐は一際大きいモンスターをそのハンマーで撃退した後、奥にいる先程のモンスターよりも小さいモンスター達にもハンマーの攻撃を喰らわせる。先程よりも小さい破裂音が鳴るのだが、数が多いからなのか、破裂音が多数鳴る。


燐は周りのモンスターを叩き潰した後、此方へと向かってくるモンスター達に攻撃をするべく、地面に向かって攻撃をする。


「『虚烈帝地震レイシフト』」


燐が地面に妖力と霊力を纏っているハンマーが地面に着いた時、モンスター達が居る地面に大きな振動が伝わり、モンスター達が弾け飛ぶ。


「なるほど、地震ですか……」

「大分加減した地震だけどね。僕の眷属妖怪の中にいる、地震発動による攻撃を得意とする妖怪、大鯰の攻撃を参考したんだ」

「妖怪の技というのは基本、同じ妖怪でも真似は出来ないのですけど……」

「はは、僕は普通の妖怪とかじゃないからね。百鬼の主だから」

「それでも異次元だと思うのですが」

「そりゃあ僕だからね。……こんな会話をしている間にモンスターが次から次へとやってくるね。詳しい話はまた後で、今は殲滅するよ」

「了解しました」

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