第4話

「今から余り物の

貴金属を売りに行ってくる」

「あっ、そう」

島田治夫は恋人の美咲とバス停で別れた。

しかし、それ以来美咲と音信不通になってしまった。

美咲のスマホは家に置いてあった。

そして一か月後に美咲が

フラリと家に帰って来た。

「どこ行ってたんだ、美咲」

「わかんない」

「わからないって、オマエ」

「気がついたら、家の前にいたの」

美咲が放心したような表情でつぶやいた。

「この方の、ご主人ですか」

警官が心配顔でたずねた。

「ハイ」

「このかたが、トラックにはねられて

記憶をなくされていたようなんです」

「えっ」

「偶然、通りかかつたかたがこの方を

送り届けてくださって」

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物語大絵巻(その一) @k0905f0905

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