part Kon 12/24 pm 10:38






 バカッ バカッ バカッ



 怒りを込めて 亜樹の咥内に 舌を挿し入れ 舌を絡める。 

 亜樹とのキスは やっぱ 甘くて 素敵で 蕩けそう。

 甘い甘い 亜樹の唾液を 舌ですくい取り 味わう。


  

 だから 腹立つ。

 女の子が 一晩 一緒に過ごそうって 誘ったのに 断る? フツー?


 

 しかも『痩せ我慢』して『精一杯 カッコつけてる』とか ホントにバカ。

 でも 例によって そーゆー亜樹のカッコつけてるところを カッコいいって 思っちゃう あたし。


 だって 女の子とHするのが 怖くて 腰が引けてるヘタレってワケじゃないんだ。

 カラオケで あんなに情熱的に あたしのこと 愛してくれたんだ。

 

 ……いや。

 アレは 暴走しちゃっただけかな……。

 



 好き。

 大好き。


 亜樹の細くて長い舌を 吸い 舌先で転がす。



 あたしの首に 回した腕に力を入れて 亜樹が『もっと』ってキスをせがんでくれる。

 それが 嬉しくて 亜樹を抱き締めた腕を さらにぎゅってして 身体同士を さらにさらに密着させる。


 

 あたしの腕の中の 亜樹の温もりは ホントに暖かくて 優しくて でも 儚くて……。

 マンガや歌詞で知ってた〈切ない〉って言葉の本当の意味が 解る。

 こんなに近いのに もっと近づきたい もっともっと亜樹の存在を 確かめたいって 思う。


  

 あと 何分 キスしてられるんだろう?

 頭の中のカウントダウンタイマーが 刻々と数字を減らしていく。



 バカッ バカッ バカッ



 ずーっと こうして キスしてたいのに。

 何で 帰っちゃうのよ?

 ホント バカ。



『〈亜樹ちゃんは 男の子?女の子?〉って聞かれたんだ。……ボクは 男の子だから…。 やっぱり 泊まるワケにはいかない…って 自分で思った』



 カッコつけて〈男の子〉でいなきゃいけないのは 知ってる。


 でも こんなに ちっちゃくて 柔らかくて いい匂いなんだよ?

 もう〈女の子〉で いいじゃん?

 一緒に過ごそう?



 背中と腰に回した腕に 力を込めて ぎゅ~って抱きしめる。

 ちょっと苦しかったみたいで 亜樹が少し身を捩る。


 ゴメン。

 好きすぎて加減できてないかも。


 力を緩め 唇を離し 今度は 目を閉じて お互いの舌先を触れあわせる。

 チロッチロッって舌先が 重なるたびに 小さな電気が 身体を駆け抜ける。


 好き。

 大好き。


 もう一度唇を重ね 抱きしめた掌で 亜樹の背中と腰を優しく撫でてあげる。

 制服の上から ゆっくりと……。


 スカートの上から 亜樹の小さなお尻に そっと触れる…。 

 サキソニーの柔らかな手触りの向こうに 感じる亜樹の可愛いお尻。

 ビックリさせないように そっと そーっと触る。


 そこは 他人が絶対に踏み込んじゃいけない場所。

 だから 4月に触られたとき 物凄い恐怖と嫌悪を感じた。

 ……そして 恐怖に身体を浸す 妖しい蠱惑。



 亜樹は どうなんだろう?

 亜樹だけのプライベートな場所に あたしの手がゆっくりと侵入し 他の誰も触ったことのない 柔らかなお尻を 優しく撫でる。

 

 あたしは 亜樹の秘密の部分に触れてる。

 そして 亜樹は それを拒否していないと思う。


 心臓が バクバク鳴って 苦しい。

 亜樹の〈特別〉でいられてる実感と 次の一瞬 全てを失うかもしれない恐怖感。


 亜樹は〈男の子〉。

 きっと お尻 触られるのは 嫌だろうと思う。

 でも〈あたし〉だから 我慢してくれてるんだよね?


 他の女の子には 許してない あたしだけの〈特別〉。

 そう思うと 心臓が痛いくらい高鳴る。


 もっと 亜樹の秘密の場所に触れてみたい。


 ゆ 許してくれるよね?

 拒否られたら どうしよう?


 でも 亜樹に 触れたい。


 キスを止めて 亜樹の小さくて可愛い耳に 囁くようにオネダリする。



「亜樹。好き。大好き。……あ あの…さ。あの…さ。亜樹の 胸 触っても いいかな……?」



 ……ダメだ。

 緊張し過ぎて 声が掠れる。


 亜樹の身体が強ばる。


 ……ダメ。

 やっぱ 止めとけばよかった。


 きっと 亜樹 怒る。

 亜樹〈男の子〉だもん。



『……ゴメン。やっぱ ヤだよね』



 そう言いかけたとき。



 ああ。

 でも。

 亜樹は どこまでも優しくて…。



「ひ 瞳は 触りたいの…?」



 ちょっと上擦ったような声で 聞き返してくれる。

 

 

「……や 優しくするから…」



 亜樹に ウソは つけない。

 どうせ バレる。

 そして 自分にも ウソは つけない。

 

 亜樹の胸に触れたい。


 それは あたし自身の願望。

 亜樹の女の子の身体に 欲望を感じる。

 それを もう偽ることは できない。



 亜樹は ぎゅっと身を寄せて 黙っている。

 心なしか体温が上がってきてる。


 それって アウトじゃないよね?

 触っても オッケーってことだよね?



「……好き。……大好き」



 免罪符のように 亜樹の耳に 愛の言葉を 吹き込んでから ブレザーの下に 手を挿し入れる。

 ブラウス越しに 微かな温もりと弾力を感じる。


 あたし 今 亜樹の胸に触れてる……。


 息できないくらい興奮する。

 でも 絶対 暴走しちゃ ダメ。


 ホントに ホントにゆっくり 亜樹の膨らみを感じるために 掌に力を入れる。

 あたしの掌に すっぽり収まる控え目な膨らみ。

 指に少しだけ 力を入れると 柔らかな弾力。



「……ゴメン。痛くない? 大丈夫?」


「うん…。大丈夫」



 亜樹は ちょっと顔を赤らめ 目を逸らす。

 その 羞じらうような仕草が さらに あたしの劣情を掻き立てる。



「亜樹 カワイイ……。好き。大好き……」



 ホントに 優しく 優しく撫でる。

 


 初めて触る 女の子の膨らみ。

 柔らかくて ちっちゃくて 可愛くて……。

 


 〈あきちゃん〉って感じがする。


 

 ツインテールの白いうなじに 唇をつける。

 甘いシャンプーの薫りに 混じって 微かに汗の匂い。

 

 〈あきちゃん〉の香り。


 身体の奥が熱い。

 眩暈を感じるほど。

 


 あたしの腕の中に 亜樹がいるのか〈あきちゃん〉がいるのか…。

 甘い匂いを嗅ぐと 亜樹の〈女の子〉としての 実在を 生々しく感じて 異常にたかぶる。



 胸 弄ったり 女の子の部分に触れたりしたら あたしみたいに 喘ぎ声だしたり 涙 流して 悦んでくれたり するのかな…?


 ……〈あきちゃん〉をかせてみたい。

 

 首筋から耳朶の裏側までを 唇と舌で味わう。

 仄かにしょっぱ酸っぱい 汗の味。

 〈あきちゃん〉も あたしと同じ 生身の人間。

 おっぱい触られたら 感じちゃうし オマンコ舐められたら トロトロに濡れる……きっと。


 いつも 優しくて 冷静な亜樹を 快感で グチャグチャにして 泣きじゃくるくらいまで イジメてみたい……。


 

 賢くって頼りになるとこが好き。

 子どもっぽくて なんか危なっかしいとこも好き。

 男の子っぽくって あたしのこと 女の子扱いしてくれるとこが好き。

 綺麗な髪 可愛い顔 華奢な身体 お人形みたいに愛らしい外見も好き。


 

 亜樹のこと ホントに好き。



 でも だからこそ そーゆーカッコいいとこ 全部 取っ払って グチャグチャのトロトロにしてやりたい。


 愛するより愛されたい。

 そう思ってた あたしだけど…。

 〈あきちゃん〉の匂い 嗅いでると『愛してみたい』って思う。


 だけど 亜樹を愛せる時間は あと僅か。

 タクシーが来たら 亜樹は 帰っちゃう。




「……ゴメンね。タクシー来たら 絶対 止めるから」



 

 〈亜樹に〉ってゆーより〈自分に〉言い聞かせて ピンク色に染まった 小さな耳に 舌先を当てて 細かな襞に沿って ゆっくりと這わせる。

 亜樹の体温が グッと上がるのがわかる。

 耳も真っ赤になってる。


 気持ちいいのかな?

 それとも 恥ずかしいだけ?


 でも 亜樹は 身体を強ばらせて じっとしてる。

 もう 身を捩って 抵抗したりは しない。


 あたしの亜樹が あたしの腕の中で あたしのされるがままになってる。

 他の誰も知らない『あたしだけの亜樹』。

 そう思っただけで イッちゃいそう。

 

 可愛い耳たぶを甘噛みする。

 柔らかな耳たぶを 舌で転がす。

 口に含んだ マシュマロを しゃぶる。


 あたしの愛撫に堪える亜樹の身体が 熱い。

 あたしの身体も。


 自分の心臓の音が うるさ過ぎて 耳鳴りがするほど。

 亜樹も ドキドキしてくれてる。

 亜樹の左胸に当てた掌に 亜樹の鼓動が伝わってくる。


 

「――――んっ」



 亜樹の吐息が漏れる。

 少し高い でも 鼻にかかった 甘い声。


 目の前が 真っ暗になって 柔らかな耳たぶと おっぱいの感触だけが あたしの 全感覚を支配する。

 

 

 ヤバい。

 もう ホントに 自分が 抑えられない。

 もうすぐ タクシーが 来る。

 わかってるけど。

 

 乳首を吸うみたいに 耳たぶをしゃぶる。

 おっぱいを 揉む……自分でするときみたいに 力を入れて。



 好き。

 大好き。

 


 ブラの上から 乳首を摘まむ。

 乳房を大きく 捏ねあげる。



「――ンッ」



 亜樹の短い吐息。

 

 ……やっぱ ダメ。

 きっと 痛かった。



「……ゴメン。痛かった?」


「ううん。……も もうちょっと 強くしても 大丈夫…」



 バカッ


 カァーーーっと身体が熱くなる。 

 そんなこと言ったら あたし ホントに 止まれなくなっちゃうじゃん。

 

 亜樹が悪い。

 乱暴になっちゃっても 亜樹のせい。


  

「――――ンンッ」



 くぐもった亜樹の吐息に甘い音色が混じる。

 太股の 裏側が痺れるような快感が走る。


 『亜樹が 感じてくれてる』


 そう思うだけで あたしもゾクゾクするような 感覚に襲われる。

 今度は ゆっくり力を入れて ぎゅって搾る。



「――ん…瞳 好き。もっと 強くしても 大丈夫だから……」



 ああ。

 もう。

 ホントに…。

 ホントに 亜樹が悪いんだからね。


 小さな胸を 捏ねあげ 乳首を指で潰す。

 首筋に 思いっきり口づけをする。

 キスマークついても 亜樹のせい。



「――――ヒッァ…ン…… 好き…… 愛してる」



 初めて聞く 上擦った艶っぽい声。

 その声を 聞いた瞬間 胎奥が ビクビクッと痙攣し 全身が強ばる。



「……ひ 瞳?」



 異変に気づいた 亜樹が 心配そうに 声をかけてくれる。



「……アハハ。大丈夫 大丈夫…。やっぱ あたし こらえ性のない スケベ犬だわ…。亜樹の声 H過ぎて イっちゃった……」



 こないだみたいに 亜樹に身体を預け 頭を撫でてもらう。

 

 ……あう。

 恥ずかしいけど スゴい幸せ。


 亜樹のスマホが ヴヴヴ… ヴヴヴ… と低い音を立て始める。

 タクシーが来ちゃったみたい。

 お別れの時間だ。


 身体を離し 亜樹の顔を見る。


 少しトロンとした〈女の子〉の貌。

 その艶っぽい表情を見ると また 下腹の奥が キュンって疼く。



「……はい そうです。宮村です。すぐ行きます。よろしくお願いします」



 スマホを取って 短いやり取り。

 電話を切って こっちを見た 亜樹の顔は いつも通り 男の子。


 ……いや 相変わらずの美少女なんだけど。


 でも 男の子って自然に思う。

 あたしの素敵な王子様。



「ごめん。タクシー来たから 帰るね…」


「うん。今日は ありがと。楽しかった」



 軽く口づけを交わして 亜樹は 階段を下りるために 立ち上がる。

 あたしも 見送るために 立たなくちゃ…。

 こうして あたし達の 初めてのクリスマスは 過ぎていったのだった……。

 ………。

 ……。

 …。

  

 

 

 

 


 


 

 

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