part Kon 12/24 pm 5:26



 

 ……ゴスロリとかは 嫌なのね。



 覚えとこ。

 亜樹って 女の子らしい格好 好きみたいだけど ちょっと大人っぽくってゆーのも大事みたい。


 せっかく ちっちゃくて可愛いんだから フリフリ着たらいいのに。

 けど やっぱ 本人の好みが大事だからね。


 ホント 忙しくて イメージラフとか描けてない。

 春高 終わったらちょっとは 時間できるかな?

 亜樹にも なんか作ってあげたいな…。

 それに 3年の課題に向けてラフ溜めときたいかも。


 

「亜樹は あたしに着て欲しい服とかある?」



 エプロンドレスは お揃いコーデだったけど あたしに どんな格好して欲しいんだろ?

 『ピンクロリータ』とか 仕返しで言ってきそうな気もするけど…。

 って思ってたら ちょっと顔 赤くして 目が泳ぐ。


 付き合う前の〈あきちゃん〉だったら 絶対 こんなことなかったのに。

 亜樹は やっぱ 男の子。

 あたしの下着とか水着姿とか 想像してんのかな?



「……エロいこと 考えてるでしょ? 顔に出てる」



 つっこんで やったら 目を白黒。

 

 ……いや。

 人のこと言えないけど。

 もうちょっとで 地下鉄で どーしよーもなく はしたないオネダリするとこだった。


 お互い Hなこと考えては いるみたい。

 でも なんか タイミング合わない。


 今のも あたしが Hな感じで 乗れたら もっといい感じに なったかもなのに……。

 ついつい つっこんじゃうからな。



「な~んか そーゆーとこ やっぱ 男子だよね~。これ さっき言ったけど 亜樹が 女子校に通ってるのって 心配なんだよね。どーしよーもないと思うし 他の子の着替え見ちゃうとかは 我慢するけど 浮気は絶対 許さないからね?」



 で 流れで 浮気に釘刺してしまう。

 亜樹の学校のお友達も『一途な感じ』って言ってくれてたし あたしも そう思う。

 亜樹は あたしのこと スゴく大事にしてくれてる。


  

 けど 不安。



「絶対だよ? 亜樹からいくことは もちろんだけど 告白されたときとか キッチリ断ってよね? 亜樹 優しいから スッゴく心配……」



 クドクド いい募っちゃう。

 亜樹も ちょっと 面倒臭さそうな顔。


 ……嫌な女だよね。


 自分でも そう思う。

 

 なんか恋愛って 難しい。

 バレーなら 不安だったら 練習すればいい。


 オーバーワークは ダメだけど 基本 やったらやっただけ 結果がついてくる。

 自分の技術が どれだけ上がったか 見てわかる。


 でも 恋愛は違う。

 不安だからって 何度も何度も確かめたら 面倒臭いって思われて 逆に 心が離れそう。

 けど 言わなきゃ 伝わらないかも…。

 どれくらいが 丁度いいのか 見当つかない。



「……ごめん。亜樹が あたしのこと大事にしてくれてるの わかってるんだけど どーしても 不安になっちゃうんだよね…。……なんか 亜樹の周りって 美人ばっかだしさ」


「……うん。浮気なんか しないけど 心配なこと 話してくれるのは嬉しいよ。瞳が 意外と 心配性なんだってゆーのは 最近の発見かも」



 ……ううっ。

 

 そうじゃない。

 実際 基本的に けっこう テキトーな性格。


 亜樹のことだけ 変に心配性になっちゃう。


 亜樹といると スッゴく女の子気分でいれる。

 いつでも お姫様扱いしてくれるし。

 それが スッゴく幸せ。

 でも 女の嫌な部分もマシマシ…。


 自分が サバサバ系じゃないのは 知ってたけど ここまで メソメソしてるとは……。



「ごめんね。面倒臭いでしょ…?」


「ちょっとね。……でも 不安は ボクも同じだから。ちゃんと口にできる 瞳は エラいと思うよ」


「亜樹も 不安?」


「うん。瞳が 他の男のところへ 行くんじゃないかって スゴく不安になる」


「あたし 浮気なんて しないからッ!」


「ボクも 何回も 言ってるじゃん…」



 カッとなって 大きな声に なるけど 静かにたしなめられる。

 亜樹の言う通り。


 恋人に 浮気 釘 刺されるのは かなり嫌な気分。


 面倒臭いなぁ…って顔くらいで済ませてくれてる 亜樹って やっぱ 大人……。

 何回も 何回も 言って ごめん。



「でも それでいいんだと思うよ。告白したときはさ 一生 ずっと一緒にって思ったけど…」


 けど?

 ええっ!?


「3ヶ月経っても ボクたち お互いの 好きな服も 知らないじゃん……」

 

 何 言うの?

 ウソ?


「だからさ もっと デートしよ? たぶん 瞳はさ ボクが どれくらい本気で 瞳のこと好きか 知らないんだよ。で 瞳がさ ボクのこと どれくらい本気かって もっと 教えて? 何回もデートして 一緒に いろんなことやってみようよ。お互いのこと もっと 解り合おう。きっと そうしたら お互い 不安じゃなくなると 思うし」


「……うん。でも デートしても しても 不安だったら?」


「もう一回 デートしよ」


「それでも ダメだったら?」


「さらに もう一回 デート」


「一生?」


「一生」


「……カッコつけ」


「瞳の彼氏で いるために 必死でカッコつけてる」



 ああ。

 もう。

 ホント 腹立つ。


 なんで こんなキザで カッコつけたセリフに キュンってなる?


 亜樹は ヘタレで カッコつけ。

 しかも 女の子には 誰にでも優しくしちゃう 女蕩らし。


 だから 不安になってるのに…。

 

 目を見て 優しくされたら 好き過ぎて 何にも言えなくなる。

 初デートんときと 同じパターン。


 ……で きっと しばらくしたら また ヤなこと言っちゃうんだろうな……あたし。


 まあ いいや。

 今 幸せ気分だし。

 チョロいぞ あたし。

 ………。

 ……。

 …。

 

  

                        to be continued in “part Aki 12/24 pm 5:30” 


 



 

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