part Kon 12/24 pm 4:17
「そんなの 間違ってるよ! あきちゃんが 女の人好きとか 絶対 駄目っ!絶対 駄目なのに……っ」
そう言いながら 菜摘さんは 店から出ていく。
顔を 手で覆ってたけど その指の隙間から あたしのこと ギッって睨んでた。
〈なっちゃん〉って子のハナシが 亜樹の口から出るたび モヤモヤしてた。
会ったことのない子で 亜樹の親友。
亜樹はいい子だってゆーけど 亜樹にベッタリ甘えてるイヤな女。
そんな決めつけしちゃダメだって解ってる。
そもそも 会ったことない子なんだし。
アリもしない不安に嫉妬する あたしの方が嫌な女なんじゃないかって ずっとモヤモヤしてた。
でも 今は スッキリ。
あの菜摘って子は 亜樹のこと 好きだったんだ。
それは もう確信。
たぶん嫌われたと思うけど ぜんぜん オッケー。
あたしも 嫌いだし。
敵同士。
わかりやすい。
スッキリだ。
「……たぶん 大好きなお兄ちゃんが 女に負けたって思ったから ショックだったのよ…。菜摘 ブラコンだしさ」
はるなさんは そーゆーけど あたしは そうは 思わない。
はるなさんの方が あの菜摘って子と 長い時間 関わってるし あの子のことも よく知ってるだろう。
でも これに関しては 確信がある。
亜樹と あの菜摘って子は 聖歌隊も一緒。
クラスも一緒。
学校で いつも一緒に過ごしてる。
亜樹は たぶん ホントに『親友』って 思ってるのかも知れない。
……でも『男の子』だから。
きっと あの子にも 優しくしてる。
亜樹に2人のときに 優しくされたら もうホント 堪らなくなる。
『男の子』でいるために 精一杯カッコつけて 女の子を守る。
菜摘って子も 何度もそんな経験したんだと 思う。
で 好きになって でも『女の子同士』で。
気が狂いそうになって…。
気持ちは よくわかる。
あたしも そうだった。
さっき あの子が叫んだ『女の人 好きとか絶対駄目!』ってゆーのは きっと ずっと 自分に言い聞かせてたこと。
そうやって 必死で自分の気持ち 抑え込んでたのに『ボク達 端から見たら女の子同士だし 変に見えるかも。けど ボクは 瞳のこと 好きになっちゃった。変かも しれないけど それでも ボクは 瞳が好き』って けっこう 残酷。
亜樹は やっぱ ニブチンだからな…。
でも ちゃんと あたしのことが好きって言いきってくれた。
あの子に 同情はするけど このポジションは譲れない。
あたしが 一番 亜樹を 愛してる。
そして 愛されてる…。
ザマーミロって感じ。
嫌な女で ぜんぜん オッケー。
………。
……。
…。
to be continued in “part Aki 12/24 pm 4:23”
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