part Kon 12/07 pm 4:37


 


 亜樹の告白。

 

 

「……あのさ 瞳の胸… 触ってたら……さ。頭に 血が昇っちゃって……」


「ううん。ぜんぜん。ビックリは したけど 嫌じゃなかったし」



 亜樹は 目を真っ赤に腫らし あたしじゃなく 壁を睨むようにして ポツリポツリと話す。

 いつもは 優しいタレ気味の目付き。

 タレ目気味は 変わんないハズだけど 初めて見る怖い顔つき。


 何が亜樹を怒らせたか わかんないから あたしも 慎重に言葉を選んで 受け答えする。

 たぶん『男』って言葉に反応したんだとは 思うんだけど…。



「頭 血 昇ったら 自分でも 歯止めが効かなくなって……。気がついたら 瞳のこと 押し倒してて」


「大丈夫。怒ってないよ?」


「ううん。ごめん。そのことは ホントに謝る。ごめん」



 しばらく間を措いて 亜樹は 話を続ける。



「でも ボクが 泣いちゃったのは そのことじゃないんだ。……自分のこと制御できなくなって 押し倒して それで……」


 

 そこまで 言って 亜樹は 声を震わせ涙声になる。



「…それで そこまでしちゃったのに なのに ナニをどうしていいか 分かんなくなっちゃって……」



 もう一度 亜樹の目から 涙が零れる。



「……ううん。分かってるんだけど どうしようもなくなっちゃったんだ。だって ボクには ついて無いから……」



 そこまで 言うと 顔を 腕に埋めて 再びすすり泣きを始める。

 

 亜樹が感じてる 身体の違和感のレベルが 少し かいま見えた。

 

 本当に 心は 男の子。


 理性プッツンしちゃったとき 自分の身体が女の子ってのを忘れちゃうくらい 心は 男の子。



「ごめん。ついて無くてよかったんだ…。もし ついてたりしたら 瞳のこと ホントに深く傷つけてたし。ごめん。変なことで 泣いてて…。……瞳のこと傷つけずに済んでよかった。ってゆーか 傷ついたよね…。本当にごめん。最低だよね。ムリヤリとか……」


「ううん。ムリヤリとか 思ってないよ。亜樹 いつも優しくて もどかしいくらいだから ちょっと強引なくらいが ドキドキする」



 小さくなってる 亜樹に身を寄せて 綺麗な栗色の髪に頬擦りする。



「……あのさ。あたしの 初めて 亜樹にあげるつもりにしてるから」



 うわ。

 ……言っちゃった。

 まあ 本気だし いいっちゃ~いいんだけど。


 亜樹は 驚いた顔して こっちを見る。


 ふぅ。

 やっと あたしのこと 見てくれた。



「もらってくれる?」



 目を覗きこんで 笑いかける。

 思った通り 顔が赤くなって 目が泳ぐ。



「えっ? だっ だって ボク…… あの…」


「なーに? 女の子に 恥 かかす気?」



 ジト目で睨んでやる。

 

 

「……だって ホントに ボク ついて無いから…」


「バ~カ。あたしが好きなのは亜樹。亜樹のオチンチンじゃないよ?」



 ホント バカ。

 言ってて 腹 立ってきた。



「それとも ナニ? あたしが オチンチンなしじゃ満足できない淫乱だとか思ってるワケ?」


「そっ そんなこと 思ってないよっ。…でも その……」



 まだ 口の中でゴニョゴニョ言ってる。


 まあ あたしの問題にすり替えただけで 亜樹の問題は解決してないしな…。

 ………。

 ……。

 …。


 


            to be continued in “part Kon 12/07 pm 4:46”





 

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