第4話 神父からの餞別の品
神父から自分の使命を伝えられた彼は心の中にあった隙間にピースがハマった感覚に襲われた。
と同時に、彼は神父の言う通り自分は九人の王から創造神アヴァロンの魂を取り戻し、世界を正し終焉へと導く運命なのだと理解したのだった。
そうして、彼が自分の運命を理解すると、
「君のこれから歩んでいく道はとても困難なものになる。だから、君にはこの残酷な世界を生き抜くために必要最低限の装備を授けよう」
神父は彼に必要最低限の装備を授けると言ったのだった。
現在の彼は上には何も着ておらず、下はボロボロのズボンを履いているだけと言う裸に等しい状態である。
それに、彼は世界に蔓延る化け物たちや九人の王たちと戦うための武器も持っておらず、今の状態で彼らに挑むのはあまりにも無謀であった。
そのため、神父は彼に必要最低限の装備を授けることにしたのだ。
そうして、彼に必要最低限の装備を授けることにした神父は何処からか取り出した本を開くと、開いたページから光が溢れ出した。
と同時に、光の中から何かが召喚されていき、神父の前には剣、盾、弓、鎧と何かの本が浮かんでいた。
剣はありふれたロングソードであり、盾も中世の騎士などで用いられていたカイトシールドであった。
弓も何かの木でできたショートボウと扱いやすいものであり、鎧はフルフェイスの金属製のものである。
神父の召喚した物の中で唯一分からないのは謎の本だけであった。
そうして、彼が本に視線を向けていると、
「その本は魔術書だよ。君は記憶を失ってるから必要だと思ってね。その本には君が今からでも使えるものから後々使えるようになるものまでたくさんの魔術が載ってるよ。だから、大切に使ってね」
神父が謎の本は魔術書であると教えてくれた。
どうやら、神父は記憶を失っている彼のために、使えそうな魔術がピックアップされている魔術書をわざわざ用意してくれたようだ。
この神父はいかにも怪しい雰囲気が漂っているのに、とても親切であることに違和感を感じた彼は何か裏の意図があるのではないかと少し警戒を強めた。
しかし、今の彼はほぼ裸という状態に加え、記憶を全て失っているため、神父の力を借りなければ、何もできない状況だ。
そのため、彼はこの怪し過ぎる神父のことを信じることにした。
そうして、神父から渡された装備を素直に受け取り、鎧を身につけると、
「君には二つ魔術を教えておこう。まずは君に渡した魔術書の124ページ目を開いてくれ」
神父から魔術書の124ページを開くようにと指示を受けた。
神父から指示を受けた彼は素直に従い、124ページを開くと、そこには収納魔術と書かれた見出しと収納魔術に関する説明が書かれていた。
彼が収納魔術のページを読んでいると、
「君は記憶を失っているけど、今まで研鑽してきたことは体に刻み込まれてるはずだからそのページを読むだけで収納魔術を使えるようになると思うよ」
神父から今読んでいるページを全て読み終えるだけで収納魔術は使えるようになることを伝えられた。
どうやら、彼は記憶を失っているだけで、今まで研鑽してきたことは体がしっかり覚えているらしい。
そのことを聞かされた彼は収納魔術のページを読み終わると、半信半疑で魔術書に書いてあった通りに収納魔術を起動してみると、なんと普通に使えた。
それも初めて使ったような感覚ではなく、今まで何度も使用して慣れた感覚に近く、その感覚は神父の言っていることは間違いではなかったという証明になった。
神父の言う通り収納魔術を魔術書のページを読むだけで使えるようになったことに少し驚いていると、
「次に教える魔術がこの魔術書の中で最も重要なものだ。これが使えないと九人の王たちを倒す旅すら始められないほどにね。さあ、654ページを開いてくれ」
神父が真面目な口調で次に教える魔術が何よりも大切なものであると言った。
付け加えるように、この魔術が使えないと彼の使命を全うするための旅が始められないとも言ったのだった。
この神父の発言から次に教える魔術が最も重要であることを理解した彼は指示通りに654ページを開いた。
654ページを開いてみると、そこには
そうして、彼がその魂魄収集と見出しに書かれたページを読んでいると、
「君には魂魄収集の中でも基本的な魔術である
神父からこの
神父によると、この章に記述されている魔術はどれも高度なものであるらしく、扱いがとても難しく、今の彼ではこの二つの魔術以外は扱いきれないそうだ。
それに、この二つの魔術よりも高度な魔術は使う必要がないとのことなので、彼は言われた通り二つの魔術の説明を読む。
そうして、彼は魂魄収穫と魂魄解放の説明を読むことで、この二つの魔術を思い出したのだった。
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