苦い青春

短夜

葛藤

「みんな凡人だよ。」

大人は言う。

でも、僕は、少なくとも僕は、みんながみんな凡人とは思えない。

カメラ、絵、勉強、料理。

何かに長けた人がいる。

それを凡人とは呼ばない。

「最初は誰しも凡人だよ。」

大人は言う。

確かにそうだ。

誰でも最初は凡人だ。

でも、彼らは違う。

彼らは、何かを持っている。

でも自分だけは何もないようで、根拠のない劣等感に苛まれる。

僕は僕を凡人と決めつけたがために凡人でしかいられなくなってしまった。

だから、彼らが輝いて見える。

彼らを羨ましく感じる。

「なら、努力したらいいだろう?」

大人は言う。

あぁ、その通りだ。

でも、その気力が湧いてこない。

無気力なんだ。

それなのに、僕は何処かで特別になりたいと思ってしまう。

このどうしようもない矛盾の気持ち。

これを何というのか、

僕は知りたい。

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苦い青春 短夜 @abelia_ar

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