#6 おせちの外注
今年は 15,000個の外注おせちが正月に間に合わないとか
以前にも 暮れに着かない とか 中身スカスカとか
ありましたね
そもそもおせちって 嫁が姑から 娘が母親から 伝授される
その家の家風みたいなものだったけど
南田洋子さんて 一切炊事はしないけど
おせちだけは一から全部 自分で作ってます
って言ってましたよね 私の母もそれに近かった
いつから 大量生産の外注物になったのかしら
いえいえ 非難してる訳じゃありません
基本 暮れから一週間も10日も商店が休んだ昔の保存食だから
年中無休のスーパーもコンビニもファミレスもある時代に
しかも 暖房がきいてて 料理を部屋に置いてたら3日ともたない
この時代にまだ 外注してもおせちを並べるんだ と感心してるんです
おせちの外注がいつ頃から商業ベースに乗ったのかは知りませんが
お金持ち家では 昔からいきつけの料亭やホテルの方から
ごあいさつ代わりにお届けする事はあったらしいですが
実は遠い昔 実家でも誤配送問題はありました
もちろん 重箱のおせちは かまぼこのように買ってきたものは
あるけど 一応手作りしましたが 二段重を二つ作っても
客が多い家でそれでは足りない
そこで デパートの通販で中華のオードブルセットを注文したのです
直径50センチ程の丸い器に盛られたオードブルがあれば
サイドメニューを作る手間が 大分省ける… はずでした
それが来ない まあまあ忙しかろうし と待っても来ない
問い合わせようにも デパートの電話は留守電
除夜の鐘が鳴ろうかという頃に 届いたものを見て全員絶句!!
黒い漆塗りの足を折りたためる経机のような小さなテーブルでした
中国人でも料理できないという〝四つ足〟です
当時 注文は葉書か電話 母は電話したというので 受けた人が
〝オードブル〟と〝テーブル〟を聞き間違えたのね
なんて笑っちゃいられません
元旦になったら 人がどんどんやってきます
テーブルの上はスカスカ 店はどこも開いてない 万事休す!!
デパートの電話が通じたのは 怒涛の三が日が済んだ後です
相手は 母が漆塗りのテーブルを大晦日の午後指定で発注した
と言って譲りません どう考えても理不尽だけど
電話発注ですから水掛け論
結局 返品するならお代は返します で押し切られてしまった
なんかね「天下のデパートが間違う訳ないでしょ おばさん」
という時代だったなあ
明らかに〝人〟が間違ってたんだけどなあ
その経験があるから
この日この時間にこれが届いてなければ ドッカ~ン!!だ
みたいな物を 人に委ねるのは今でも苦手なんです
密林とか楽… が細々した注文を間違いなく定時配達してくると
三拝九拝してお迎えしちゃう 何度配達してもらってても
毎回 奇跡のように感じちゃうから
「これ いつ着きます?」
「さあ 10日みてもらえれば 大丈夫だと思いますよ」
と郵便局で言われた時代に育った子ですから
ど~せこの世はホンダラッタホイホイ 真留女 @matome_05
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