第8話 合気って何だ?

 「ハッハッハッ!」

 

 「お前が稽古をサボっていた間に、この子はすっかり合気を身につけよったぞ!」


 秋葉の祖父が高笑いをしながら近づいてきた。


 「はっ?」


 「合気って何の事だよ?」


 「酒井に倒されたのは、たまたまだよ!」


 「俺、超能力みたいな物なんて信じてね~し、合気なんて言う超能力なんか嘘に決まってるだろ!スターウォーズのフォースみたいな物が現実世界にあるわけね~し!」


 秋葉は顔を少し赤らめながら祖父に言い訳がましく弁解する。


 「フフフッ!」


 「秋葉ったら、私に負けて負け惜しみ言っちやって!」


 酒井は秋葉の反応を見て、いつも通りのテンションでイジる。

 

 秋葉は酒井のイジりに対して顔を真っ赤にして怒りながらも、少しだけ胸の高鳴りを感じて頬を赤らめていた。


 「何か酒井って女子は小生意気で、いつも人をおちょくる感じで近づいてくるけど、この子は何か嫌いになれないな~」


 秋葉は酒井に対して密かに恋心を抱いていた。


 「ハッハッハッ!」


 「法子、ずいぶん立派な合気道家になったじやないか!」


 秋葉の傍で中年男性の高笑いの声が道場全体に響き渡る。


 秋葉が、ふと声のした方に目をやると、

角刈りで無精ひげを生やした40近い年齢の中年男性が立っていた。


 中肉中背で筋骨隆々の体格をして、いかにも図体が良い感じの男性である。


 「正おじさん!」


 謎の中年男性を見て、酒井がビックリして言う。


 「酒井正先輩!」


 「いつ日本に帰られていたんですか!」


 謎の中年男性を見た瞬間、周りにいた道場の高弟連中達が驚きの声を上げた。


 「昨日に帰ってきたんじや!」


 「フランス軍の傭兵部隊に合気道を指導してたんだが、ある事がきっかけで日本に、また帰国したくなってな~!」


 謎の中年男性は鋭い目つきで高弟達に話しかける。


 「まさかお前、格闘技イベントのヘラクレスに出て陽心流合気柔術の徳川と対戦するために帰国したのか?」


 酒井の祖父が酒井正と言う男に詰めよった。


 



 

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転生して最強合気道家になるぞ~ 毛利直人 @KOYOTE

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