異郷に迷い込むとどうなるか。


 ふとしたきっかけで調子が悪くなる体質の直樹は、彼女から実家に来てみないかと誘われる。
 そこでは近日中に「邪気を払う祭り」が催されるらしい。
 自分の体質も治るかもしれないし、彼女との仲も進展させられるかもしれない。そう思って誘いに乗った彼は、知らなかった。
 
 彼女の故郷は山の奥の奥、悪路の果てにある小さな村であることを。
 


 一話目から圧が凄い。
 その圧は話が進むごとに大きくなっていき、読み終わった際に「やっと解放された」と思わせるほど。
 結末もさることながら、過程そのものが不気味。
 百鬼夜行に自分一人が「新人妖怪」として参加させられているような、もうともかく勘弁してくれという描写が続きます。

 月曜日の朝から何という作品を……と思いましたが、
 ここに迷い込むくらいなら「月曜日」の陰鬱程度で済むなら安いな……
 むしろ、ここに来ないで済むなら、毎日頑張りたくなるな……

 と、心の底から思わせてくれる作品でした。

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