第226話

士官学校2日目を向かえた。

この日の授業は座学だ。

同じクラスの面々は筋肉痛なのか表情が優れないが教官はそんなの関係ないとどんどん授業を進めていく。

シュバルツは必要な箇所はメモを取り真剣に授業を受けていた。

幸い、フランが基礎を教えてくれていたので余裕をもって授業を終えた。

「この後は昼休憩だ。しっかりと食事を取るように」

そう言って教官は教室を出て行った。

シュバルツは食堂に向かう。

配給の列に並びつつ食堂を見ているとミミとシズノが手を振っていた。

配給を受け取りシュバルツは2人の元に向かう。

「お疲れ様。そっちはどんな感じ?」

「マリルとレベッカに感謝ね。そうじゃなきゃ今頃、頭を抱えてるところだった」

「私もです」

「そっか。僕は余裕があるからわからない場所があったら気軽に聞いてね」

「うん。ありがとう」

「それにしても、ここの食事は量はあるけど味はいまいちね」

「そうね・・・。でも、私達の舌が肥えてるだけかもね」

「食べられるだけありがたいと思わないとだめですよ」

「それはわかってる」

残念ながらマルセイユ王国の中でも貧富の差は存在する。

満足に食事を食べられない人達も存在するのだ。

それを考えたらこれだけの量を確保して提供してくれる士官学校は恵まれているのだろう。

シュバルツは時間をかけて配給された食事を食べきった。

「さて。食事も終わりましたし教室に戻りますね」

「もうこんな時間。私達も戻りましょう」

シュバルツは食器を片付けて教室へと戻る。

午後の授業も座学である。

士官学校は2年間で必要なことを全て教えなければならない。

日程に余裕があるわけではないので駆け足気味であるのは仕方のないことなのだろう。

シュバルツは午後の授業も真面目にメモを取りながら受けていた。

そろそろ授業が終わるというタイミングで教官がテストを配る。

「今日、学んだことを覚えているか小テストを行う。筆記用具以外はしまうように」

シュバルツはメモを鞄にしまい配られたテストを1枚取り後ろにテストをまわす。

教官が全員に行き渡るのを確認して開始の合図を送る。

シュバルツは問題をスラスラ解き、何度も見直しを行った。

「よし。そこまで。隣の者と答案を交換するように」

シュバルツは隣の席の者と答案を交換する。

「では、答え合わせを行う」

教官はテストの答えを言っていきシュバルツ達は答案の丸付けを行う。

「全員、丸付けは終わったな?答案を元に戻せ」

シュバルツは隣の人と再び答案を交換する。

シュバルツの答案は全て正解だった。

「今日教えたことは基本的なことだ。間違った答えがあった者はよく復習しておくように。それでは今日の講義を終了する」

そう言って教官は教室を後にした。

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歩くだけで最強?僕の恩恵がカウンターだった。 髙龍 @kouryuu000

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