どこかで見たことのある展開、設定なので良く言うと親しみやすい、悪く言うとありきたりです。慣れてる人なら先の展開は読めてくると思います。
次に登場人物の感情は適当です。上部だけをサラッとなぞったようなキャラクターが多い気がしました。どうしても登場人物全員を良い人にしたいみたいで、明らかに無理矢理なこじつけで「良い人」ということにしているシーンが多々あります。腑に落ちず、逆にストレスが溜まることもありました。
また、主人公は魅力的とは言いがたく、登場人物達を人ではなく、どちらかと言うと攻略対象として見ています。「こうすれば自分の好感度が上がる」と言う思考で動いているので、善意で動く心優しいヒーローを求めている方には合わないと思います。20代だとしても稚拙な部分が多々見られます。
異世界物の定番であるスキルや魔法は作り込まれているとは言えず、簡単な設定のものが多いです。わかりやすいと言う利点もあるので、これに関しては良いとも悪いとも言えないかなと思います。
テンポ感は悪くないです。全体的にサクサクと進み、スキルやレベルも定期的に上がるのでそういった面白みはありました。しかしコピペのように同じ文章が繰り返し使われることが多いのでそれは正直言って微妙でした。
総論としては『頭を空っぽにして適当に読むぶんにはちょうど良く、ちゃんと読もうと思うと理解・共感できない部分が多い』作品です。未熟な文章、伸び代のある物語といった感じがしました。
とは言ってもこれはただの素人の自分が思ったことなので、実際にご自身で読んでみることをお勧めします。
良い点
鬱展開がなくてすごく読みやすい
あとヒロインのキャラ設定がしっかりしてて誰がどの場面で話しているのか把握しやすい
俺TUEEE系だから窮地に陥ったりとかはしないし、裏切りもない
ヒロインが従順で可愛い点がたくさん用意されてる
第三者視点があるのも凄くいい
奴隷や召使いに優しいというTUEEE系の基本事項も抑えられている
ストーリー設定がしっかりしている
悪い点
・俺TUEEE系なのに圧倒的に強いというわけではないところ(もしかしたらそこが良い点なのかもしれないけれど、自分は少し物足りなく感じた)
・結婚式のところやパーティにヒロインを誘うところ、「俺は随分と指示待ちの人らしい」などの言葉が毎回同じなところ
→同じ文の使い回しが多くて少し萎える。
・いきなり戦闘が始まって相手とその後すぐに仲良くなるところ
→普通は敵対していた相手(くまっちやドレッド)にすぐに仲良くできるはずはなく、小さな嫌味を言ったりして謙ったりなどはしないと思う。
・主人公が欲望に忠実すぎて、他人に接する時も忠義度稼ぎでやってるところ
→相手に優しくするのがまるで忠義度の為だけにやってるようにみえて残念。もしそれがわざとなら主人公は性悪。