第225話

一通りの説明を受けシュバルツ達Sクラスの面々は運動場に来ていた。

「これより体力測定を行う。止めるまで走り続けるように」

開始の合図でシュバルツ達は走り出す。

シュバルツはいつも通りのペースで走っただけだったのだが、そのペースについていこうとペースを乱した一部の生徒が脱落していた。

「お前らは馬鹿か?自分のペースもわからんのか」

教官はそう言って脱落した面々にお説教をしている。

その様子を見つつシュバルツは順調に走り続けていた。

「よし。そこまで」

そう声がかかると多くの生徒が「ぜぇぜぇ」と荒い息を吐いている。

「お前は余裕そうだな」

教官がそう言ってシュバルツに声をかけてくる。

「体力には自信がありますので」

「そうかそうか。なら、お前には特別メニューをこなしてもらおう」

シュバルツは教官の指示で腕立て、腹筋、スクワットなどをこなす。

「お前、化け物か?」

余裕で指示されたメニューをこなすシュバルツを見て教官は思わずそう漏らしてしまう。

他の訓練生達もその様子を見てひそひそと話していた。

「お前達も十分、休憩できたようだな。次のメニューだ」

そう教官は空気を壊すように発言する。

クラスメイトからは「ぶ~ぶ~」とブーイングが飛ぶが教官は逆ににやにやと笑う。

「そうかそうか。最初だから手加減してやろうと思ったがその必要はなさそうだな」

結局、全員が地獄のような目にあった。

その中でシュバルツだけが余裕を持っていた。




夕方となり体力測定が終わった頃にはシュバルツ以外の面々が地面に横になっていた。

「初日だし、こんなもんか」

教官はそう言って満足そうな顔をしている。

「早く戻らないと夕食がなくなるぞ?」

そう言って教官は去って行った。

クラスメイト達はよろよろと立ち上がり寮の方に戻っていく。

夕食がなくなるというのは脅しでもなくありえることなのだろう。

シュバルツはミミとシズノと合流して士官学校を後にした。

「2人のほうはどうだったの?」

「私は第2運動場で体力測定でした」

そう言ったのはミミだった。

「私の方は体育館で体力測定でした」

シズノの方もカリキュラム自体は同じだったらしい。

クラスが違うのでカリキュラムが違うかと思ったが違いはないらしい。

「とにかく初日お疲れ様」

シュバルツ達が屋敷に戻ると夕食の準備が出来ていた。

しっかりと食べて英気を養う。

食事の後はシュバルツの部屋に集まった。

いつも通りに修行部屋に移動してリザードマンの地底湖の2層目に向かう。

ここ数日は士官学校の準備をしていたので久しぶりの狩りだ。

しっかりと連携を確認する。

武器の属性のおかげもあり、以前来た時よりは余裕をもって倒すことができていた。

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