第224話
フェンネルの街に到着してどたばたしていたらあっという間に日が過ぎていき入校の日を迎えた。
シュバルツとミミにシズノは士官学校の制服を着て屋敷を出て歩いて士官学校に向かう。
受付にて手続きを済ませる。
「ようこそフェンネル士官学校へ」
そう言ってくれたのは士官学校の制服を着た先輩だった。
「先輩。よろしくお願いします」
「色々戸惑うこともあると思うが気軽に頼ってくれ」
「はい」
先輩に連れられ講堂に向かうと既に講堂内には多くの士官候補生が集まっていた。
「お前達で最後だな」
教官がそう確認する。
どうやらシュバルツ達が一番最後だったようだ。
と言うのも、普通の士官候補生は併設された寮に住んでいる。
屋敷から通っているのはシュバルツ達だけだ。
時間に余裕をもって来たつもりだったが一番最後になるのも納得だ。
しばらく待機していると教官達が整列するように指示を出す。
シュバルツ達は最後尾に並んだ。
全員が整列したのを確認して教官の1人が口を開く。
「それではこれより、フェンネル士官学校。入校式を執り行う」
そこから先はお偉いさんの挨拶にはじまり在校生の挨拶。
主席入学者の挨拶と地球と変わりない展開だった。
「以上を持って入校式を終了する。各自、割り振られた教室で待機するように」
シュバルツ達はここでミスをしていることに気が付いた。
自分達の教室がわからないのである。
「どうしましょうか?」
「ここで悩んでいても仕方ない。教官に聞いてみよう」
そう言ってシュバルツは近くにいた教官に尋ねる。
「すみません。自分の教室がわからないのですが」
「わからない?寮で説明があったはずだが・・・」
「自分達は入寮していないので・・・」
「あぁ・・・。3人だけ入寮してないのだったな。こちらのミスだ」
どうやら教官達の方も失念していたようである。
「シュバルツ候補生がSクラス。シズノ候補生がBクラス。ミミ候補生がEクラスだ」
「ありがとうございます」
「あまり時間がないので急いで向かうように」
「はい」
シュバルツ達は急いで自分達の教室に向かう。
全員バラバラの教室になったがそれは仕方のないことだ。
「それじゃ。また後で」
「はい」
シュバルツは自分の教室を見つけて入る。
その直後、教官がやってきた。
シュバルツは急いで空いている椅子に腰かけた。
「全員揃っているな?栄光あるSクラスにようこそ。君達は本校でも特に期待されている人材だ。将来は王国の未来を担うような人物も現れるだろう。だが、心しておいてほしい。君達はまだまだ殻のついたひよっこだ。びしばし鍛えていくのでそのつもりでいるように」
教官はそう言って言葉を締めくくった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます