第223話
受付のお姉さんは座学を行っている教室や運動場に食堂などを丁寧に案内してくれた。
「これで、案内としては全てだけど何か質問はあるかしら?」
「いえ。大丈夫です」
「そう。私は戻るけどもう少し見ていく?」
時間はまだあるが、フラン達を待たせたままだ。
そろそろ戻った方がいいだろう。
「人を待たせているので僕達も戻ります」
「なら、一緒に戻りましょうか」
シュバルツ達は受付まで戻ってきた。
「何か困ったことがあればいつでもきてね。最大限サポートするわ」
「はい。よろしくお願いします」
シュバルツは受付のお姉さんに頭を下げてから校舎を出た。
「もうよろしいのですか?」
「うん。必要な場所は見れたからそろそろ屋敷に向かおう」
「わかりました」
シュバルツ達は再び馬車に乗り込み屋敷に向かった。
用意されていた屋敷はかなり広大な敷地を持っていた。
「う~ん・・・。広すぎない?」
「そうですね。私達が住むだけにしては大きいです」
ミミとシズノもそう思っているようだ。
「これも公爵家の見栄という奴ですね」
御者がそう苦笑いしている。
「まぁ。今更住む場所を変えるわけにもいかないし中に入ろう」
シュバルツ達が中に入るとメイドと執事がホールに勢揃いしていた。
「お待ちしておりました」
シュバルツは代表して挨拶をした執事に見覚えがあった。
名前まではでてこないが公爵領の本城に務めていたはずだ。
「シュバルツ様。何かございましたか?」
「うん。本城でみた覚えがあるんだけど・・・」
「今回、本城より出向という形できておりますので」
「そっか・・・。わざわざすみません」
「いえ。謝らられることでは。それにある意味出世ですので」
本人が納得しているならシュバルツが口を出すことでもない。
「ご部屋の方にご案内しても?」
「そうですね。お願いします」
シュバルツ達は執事に連れられてそれぞれの部屋に案内された。
シュバルツに与えられた部屋はかなり広かった。
「う~ん・・・。なんだか落ち着かないな」
貴族的感覚に慣れてきたと思ったがそうでもなかったらしい。
「シュバルツ様。失礼します」
「どうぞ」
フランを筆頭にパーティーメンバーの面々が部屋に入ってくる。
「この後はどうしましょうか?」
「そうだね。とりあえず食事をとってその後は修行部屋で最終確認をしておこうか」
「わかりました。では、食堂に向かいましょう」
シュバルツ達は近くに控えていたメイドさんに案内されて食堂に移動した。
用意されていた食事は豪華な物だった。
味付けも悪くなく満足いくまでお腹を満たす。
「ふぅ。少し食べすぎたかな?」
「そうですね。でも、食べられる時に食べておかないと」
冒険中はお腹が空いても食べられない状況というのも存在する。
習慣というのは中々抜けないものなのだ。
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