夏編を読み終えた時点でのレビューです。
本土よりも先進的な発展を遂げた島、奈園島で繰り広げられる異能力バトル&学園ラブコメ。
奈園島へ移住することになった木之瀬大福が、そこで友人と出会い、学園のアイドルと出会い、自身の異能に気付き、島の秘密を知り、敵の存在を知って、ヒロインを助ける為に立ち向かっていきます。
学園モノとして気軽に楽しめる青春・ラブコメ要素を抑えつつ、戦う敵は外宇宙からの侵略者、というSFチックなスケールの大きさも備えた、満足度の高い作品です。
諦めの悪い主人公、唯一無二の力を持つヒロイン、主人公を囲む美少女たち、軽快でテンポの良い会話、厨二心をくすぐる異能力。
これぞラノベ! と思えるロマンが詰め込まれています。
本編が四章仕立てとのことですので、夏編が終了した現在がちょうど折り返し地点に当たるのでしょうか。
まだまだ多くの謎が残されており、それらを回収しながらどんな展開をみせてくれるのか、楽しみです!
本土より進んだ不思議な島、奈園(なぞの)島。その島自体も面白いのですが、その学校に転入することになった大福くんが、実に、妙に、面白いのです!
特に、彼の喋りは癖になります!
脇を固める友人、ヒロインたちも魅力的です。
友人になる五百蔵くんは、彼ととある同盟を築く勢いのある面白い人ですし、
幼馴染の青葉ちゃんは口が達者で可愛くて、
奈園のアイドル、朝倉ハル先輩は、大福くんが見惚れるほどの美人で可愛い! 大福くんに翻弄され、ムキになるさまが可愛いのです! しかもハル先輩には不思議な能力があるようで……!?
まだあらすじにあるような外宇宙からの侵略などの要素は、多分その片鱗が出て来たところです。しかし、自らを中二病罹患者ということにしながらも(ハル先輩は涙を呑んで!)大福くんに対して隠されている何かがあるのは明白。それらが今後、徐々に見えてくるのが、今からとても楽しみです。
ラブコメ要素も備えた、いずれは壮大な物語になると思われるお話です。
お薦めします(^^)!
すぐに覚えられる名前、そして一発目で主人公の性格が一目で分かる読み手に優しい導入から始まる物語です!
そしてそこから導き出される性格がとても好感度が高い、ということもです!
思い描く自分と現在の自分とのギャップが良い方向にズレているので、回りとのやりとりがますます微笑ましく感じます!
島を舞台にした作品の場合、のどかな~や、ほのぼのが多用され先端を行く場合、本土や海外になるのですが、そこを逆手にとった展開が読み手に対してアクセントになっており、とても興味を引かれます!
また、主人公と絡む相手も鼻につくような態度がなく、むしろある理由から早々に打ち解けていく、というのはこの年代の男子の心情を忠実に反映しているとさえ感じました!
そして主軸の一つを匂わせる展開へ突入するわけですが、空回りっぷりさえも頬が緩む秀逸な展開を披露してくれることになります!
キャラが魅力的に考えられており、掛け合いによる進行と地の文のサポートが見事なサイクルを描いているので、軽く目を通すとついつい読み耽ってしまう名作です!
まだ始まったばかりのため、主軸とされる部分に踏み込みつつある状態というまさに読み始めるのに相応しいタイミングです!
みなさんもぜひ寒い冬に心をぽかぽかと温めてくれるエンタメ小説に手を伸ばしてみるのはいかがでしょうか!