12. 祭りの後

 イベントが終わり、帰りの電車内の切なさを乗り越えて、平和な日々が戻ってくる。すると、じわじわと心に浮かび始める事がある。

 次のイベントでやりたい事だ。これだけ切なくなってもまだ懲りていないらしい。

 という訳で、最後の章では、今後のイベントでやってみたい事について書いてみる。ぜひエンディングっぽいBGMを脳内再生しつつ読んでいただきたい。

まず何より、趣味を満載した本を気の済むまで作りたい。

 私は灯台が好きなので、先日は灯台をテーマにした小説を書いた。表紙や装丁も自分で撮った写真を使って作った。それがものすごく楽しかった。お金も手間もかかったが、それを超える楽しさがあった。

 やっぱり好きなものについて、好きに書くのが一番楽しいものなのだ。なお今後書きたいものとしては、鉄塔とか空、和菓子、手芸、あと魚など。

 次のやりたい事。絵本を作りたい。

 最近母が童話を書き始めたので、それを絵本にしてみたい。私は絵と装丁担当だ。ただし私は絵が全く描けないので、まず練習から始めないといけないのだが、まあ何とかなるだろう。絵本は小説とは全然勝手が違うから、きっと新しい発見があって楽しいはずだ。

 次。ブースのレイアウトを素敵でおしゃれにしたい。

 見るだけでなんかテンションあがる!すごい! みたいなブースにしたら、本は売れなくても楽しいはず。素敵なブースを作っている方はイベントでたくさん見かける。サークルの雰囲気をよく表現した、センスのある、見るだけでわくわくするようなレイアウト。そういうのを私も作ってみたい。どうやったらいいかはまだ全然わからない。

 大体そんな感じである。

 実はこの『楽しさと惰性』というエッセイ自体も、やってみたかった事である。

 このエッセイが作られるきっかけは、他の新刊について、表紙を作ってくださる大学の先輩とサイゼリアで打合せしていた時の事。先輩に「なんでイベントに出てるの?」と聞かれ、「そうですね。楽しさと、惰性ですかね」と私が答えたところ、「それ本の題名っぽいね」と先輩が拾ってくださり、言葉からイメージを膨らませて瞬く間に素敵な表紙を作成された。帯や各章のタイトルもその場でさくっと決まった。そんな偶然からこのエッセイは出来たのだった。(先輩ありがとうございました!)

 何らかのエッセイはいずれ書いてみたいと長年思っていた。ただ私の中で小説よりも優先順位が低く、時間と余力が無くて書かずに過ごしていた。

 やってみるとエッセイは小説とはまた別の筋肉を使う感じで難しい。正直まだあまり上手く書けているとは思えない。でもとても楽しいので、もっと練習して、いずれ旅行記とかも書いてみたい。

 ここまでをまとめると、私はイベントにおいて「楽しさ」の割合を増やしていきたいと思っているようだ。もうけを追及するのではなく、切ないからやめてしまうのでもなく、楽しさが増えさえすればイベントは惰性で続けていけると、無自覚ではあったが思っていたようだ。それがわかってちょっとスッキリ出来たので、書いたかいはあったように感じる。

 それではまた、次のイベントでお会いしましょう。

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楽しさと惰性 空飛ぶ魚 @Soratobu_fish

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