何も起こらなかった

ドッペルゲンガーって信じてる?

わたしは、信じてなかった。

ーー過去形なのは、わたしがもう1人のわたしと出会ったから。彼女は正にわたしだった。わたしと同じ外見で、思考も全く同じ。でも、わたしと彼女は感覚と意識を共有していない。わだから、わたしにとって、わたしたちは全く違う人間なのだと思った。でも、他人からは?おそらく、同一人物としか言えないし、実際、彼女とわたしは同じ人間なのだ。ーーこの世に、わたしという人間がふたり存在してはいけない。片方は、消えた。残ったのは、このわたしだ。ただ、それだけ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短編集 まれ @mim-21

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ