詩:豪雨のヤシの木

汐崎ひかり

豪雨のヤシの木

写真に残らない君の笑みを

想像しては胸を撫でた

言葉は優しくなくて鋭くて

ねじれの位置にあるわけではなく

いつだって絡み合うからこそ

離れる時には解くのに時間がかかる


君の腕の温かさや唇の滑らかさや

くねくねとした道には似合わぬ

定規で引いたような線

また明日が来ないように思えたからこそ

目が合う時には引き寄せられる


その豪雨が止むまで

薄暗いベッドの上で

何度でも溶け合った

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詩:豪雨のヤシの木 汐崎ひかり @serori_c

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