閑話 コーエン

第71話 閑話 コーエン


俺はコーエン。伯爵家の長男だ!


俺たちは、ばあちゃんが病気になったので、領地から王都に向かっているのさ。


いや~それにしても、馬車ってお尻が痛くなるや!


あ~あ あきてきたなあ~


何か面白いことでも起きないかな~?



キキキー 

馬車が急に止まった!

全くどんな運転してんだよ!と思っていたら


「旦那様、大変です!前方に魔物の群れが・・・」


御者がそう言った途端


どーん 

と馬車に何かが当たった音がした。


窓から外を見ると、なんとそこには魔物が体当たりしている。


「なに? オオカミか!」


父ちゃんは、そう言って馬車の外に出た。


「テレル、ジェロン。私と3人でこのオオカミをけちらすぞ!」


父ちゃんの一声で大人の男の3人は馬車から降りて戦っている。


俺は、玩具の剣を持って外へ行こうとしたけど、母ちゃんに止められた。


そうしていると

ドーンと馬車の扉が開けられた。

ドアを開けたおっちゃんが


「我々が助太刀いたします。どうかここから動かず、扉を動かないようにしてお待ちください」


そう言ってまた、そのおっちゃんは戦いはじめた。


馬車の中のみんなが、ガタガタ震えてしばらくすると


「お と~~さ まぁああああ!」


女の子の叫び声が聞こえた。

その声が聞こえた瞬間から


晴れていた空がどんよりと雲がかかって暗くなった。


外を見てみると

右手の人差し指を空にビッシっと指している女の子がみえた。


その女の子は、髪がゆらゆらとなびいていて、お人形さんの様な綺麗な顔だ。


僕はその女の子を、ぽーっ と見とれてしまった。


ビガ、ビガ、ビカっと辺りが光り


どどどど どーん 


大きな音がなったと思ったら魔物達はみんな倒れていた。


でもプルプルと動く青いスライムはうごいていたけど。


その女の子は倒れているおじさんのところに行った。

すると倒れているおじさんがピカーと光ったと思ったら、今度はおじさんのまわりにお星様がキラキラと飛んでいる。


しばらくして、父ちゃんが、可愛い女の子と、倒れていたおじさんを連れてきて

今日の事は内緒にしていて欲しいと言われた。


そして家族全員で、なんだかわからないけど

可愛い女の子にお礼を言った。


可愛い女の子はエルーシアという名前らしい。

でも女の子はすぐにおじさんの陰に隠れてしまった。


もっとお顔がみないな!


僕は、エルーシアが気になったので一緒にいたいと思って

母ちゃんと父ちゃんにエルーシアと一緒に馬車に乗りたいと言ったら

断られたと言われた。

とても残念。


でも僕は、そんなことぐらいで諦めないぞ。

絶対仲良くなってやると思った。



――――――  ―――――― ―――――― ―――――― ――――――


新作 聖女の紋章の数百年後のお話しです。

魔法のなくなったその先に 【聖女の紋章 外伝Ⅰ】

https://kakuyomu.jp/works/16817330668704507098

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る