第三三話 エルーシアのエ、アルーシャのア

第33話



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さーて。前回までの【公爵領の魔法使いは聖女の紋章を持つ転生者】は?

こんばんは。もしかしたら こんにちは  それとも おはようございます。

エルーシアです。

冒険者ギルドで、お肉と魔石を回収した、ベルティンブルグご一家。

オーク肉を焼こうと、シュタインの工房へ出向きました。

そこで、お母様の妊娠が確実視され、もしかしたらクラーラも!

そんなところで前回は終わってしまいました。

果たして、わたしエルーシアは、水洗トイレをつくり、孤児院の話をここでできるのか?

超ご期待!

では、本編をどうぞ

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「エルちゃま。心配 母 行く」

「メリア行ってらっしゃい。クラーラに何か欲しいものはないか聞いてきてね」


メリアはコクッとうなずき走って行きました。


「さて、お父さんもお母さんもお食事が終わったみたいだから、シュタインに相談しようと思ったことを、今話しますね」


「エルーシアちゃん。わたしはまだオークのお肉食べるわよ」


「はいはい。お母さんわかりました。わたしの話を聞いてコクっと、うなずけば続けてオークのお肉を食べていです」


コクコクとお母様は頭を動かしています。

「さあ。エルーシアちゃん早くお話ししてねぇ」


(いや~。お母様どんだけオークのお肉が好きなのよ?

わたしが、聖属性魔法を使わなければ、こんなにならなかったはず?

え?わたしが原因? まあいいや)


「では、シュタインが作ってくれた道具や設備は後からお父さんとわたしで確認しますね。

わたしが、シュタインに聞きたかったのは、両親を亡くした孤児。片親の割合。

そして、どれだけの領民が、文字の読み書き、足し算が出来るかということなの」


「なるほど、確かに私では、日々の領民の生活などはつかめていないな」


「お父さんは、お祖父様から領地運営を引き継いでお祖父様と同じ路線で運営していたけれど、領民の生活までは、目が届いていないと思って、お父さんとお母さんの子であるわたしが、領民の生活が豊かになるように動かないといけないと思ったの」


「さすが、我が娘のエルーシアちゃん。公爵家を継ぐ者として、今から政治の世界に入ろうとしているのだな」


「そんな、大げさなことじゃないの。

麦や野菜の収穫量が減って、みんなが大変だなって思ったの」


「領民に寄り添うエルーシアちゃんは偉いぞ」


「それでね。特に大変な人達。貧しい人がいなくなればいいと思ったの」


「ほうほう。それで、エルーシアちゃんはどうしたいのかな?」


「うん。ヒーナ商会でのわたしの取り分を使って、全領民の子供に教育を受けることを義務にするの。

そして両親のいない子供の生活ができる施設をつくりたいの」


「な、なんと。教会でやっていることや、孤児院の運営を領主一家でやりたいと。

エルーシアちゃんは、何故そんな考えになった?」


「それは、領民の収入が下がっている今だからこそ、領民の生活を楽にしてあげたいの。税を下げるとかじゃなくて、領民の生活レベルを上げて欲しいの。

それに、シュタインにも言っけれど、ヒーナ商会はもっともっと儲かるようになるの。

その資金を使って、教育制度をつくって強いベルティンブルグを作りたいの!」


「「「おおお!」」」

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あれ?お父様達だけでなく、話を聞いていないはずの、シュタインのお弟子さん達も拍手しているよ。


「きっと。今までの領主達は、庶民達に知識を与えると、その者達が力をつけて、クーデターを起こしたりすると考えていると思うの。

でも、領主が善政をしていれば、そんな事はないの。

むしろ、頭のいい者に領地運営の手助けをしてもらって、その者が不正をしていないか管理体制を作ればいいのよ」

(なるほど、日本の三権分立はこのような考えから出来ているのかしら?

それでも、政治家はお金に汚かったけれど)


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今度は、シュタインとシュタインのお弟子さんが大きく拍手をくれました。


「それでね。お父様は忙しいので、その責任者を、お母さんにしてもらいたいの」


「えええ。私?

でも、でもね。私よりもエルーシアちゃんの方が向いているわよ。

オークも沢山狩っているからね」


「お母さん。わたし五歳なの。わたしは、教育を受ける側よ」


「エルーシアちゃんは、今すぐにでも王都の学校を軽く卒業できる学力があるって家庭教師の皆からきいているわ。

課題はダンスだけだって」


「お母さん。これを考えた、わたし自信が、教育を受けるってすごくない?」


「どういう所が」


「だって、いいところも、悪いところも中から検証できるよ。

そして、悪いところはすぐに変更できるのよ」


「グッ」お母様は言葉に詰まってしまいました。


「アルーシャ。君の負けだよ。

わたしも、エルーシアちゃんも手伝うから、その教育改革の責任者になりなさい」


「・・・・・・・・・・・・・・・ は~い」


こうしてお母様をベルティンブルグの教育のトップにすえることが出来たのです。

因みにこの教育計画は、エルーシアのエとアルーシャのアをとってエア計画と名付けました。

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