第十七話 おままごと最高!
第17話 おままごと最高!
「う~んん」
カーテンが少しずれていたのか、顔に陽があたりまぶしくて、目が覚めてしまいました。
使用人に着替えさせてもらって、小鳥がさえずる外に出ました。
わたしは、鼻歌をうたいながら、プルプルとお庭を散策します。
ぼよーん ぽよーん
とプルプルが、ついてきます。
(あれ?プルプルって何でも食べるのかな?
昨日の夜も私の残したご飯を食べていたよね!)
と思ってプルプルを見たら、なんだか昨日より大きくなった感じがします。
(プルプルって成長期なのかな?一晩で一回りも大きくなった?)
そんなことを思いながら散策を終わらせてお屋敷に入ると朝ご飯の時間でした。
女神のフレイヤ様に祈りを捧げて、朝食を食べ始めました。
お行儀が悪いのですが、プルプルにパンの端を与えてみたところ、綺麗に全部食べていました。
(加工したものでも大丈夫なんだ! 焼いたお肉も大丈夫なのかな?)
と思いわたしは、薄く焼かれたお肉を与えようとしたところ、
クラーラに睨まれてしまいましたので、プルプルに与えるのを今日はやめました。
(ベルティンに帰ったら与えてみよう)
朝食が終わりわたしは、メリアにおままごとをするから、コーエンとカスパーをお庭に連れてきてと、お願いしました。
カスパーは、わたしに誘われたのがよっぽど嬉しかったのか、犬のように尻尾を振っていそうな感じがしました。
でも、わたしはやっぱり人見知りなので、コーエンに自分で声を掛けることが出来ません。人見知りっていうより恥ずかしがり屋?
今日もまた、4人とプルプルでおままごとを始めました。
メリアがお母さん役で、コーエンがお父さん役で、わたしとカスパーが子供役そしてプルプルがペット役で遊んでいます。
そして今度は、
メリアが子供役で、わたしがお母さん役をします。
そうすると昨日と同じく、お父さん役をめぐって、兄弟二人で喧嘩を始めました。
「やっぱり、男の子ってお父さん役になりたいのね?」
と思っていたら、また、「ふっ」とメリアに鼻で笑われてしまいました。
何故でしょう?
そして結局、メリアが再びお母さん役をすることになりました。
「さあ、みなさん ごはんができましたよ」
メリアがそう言ってご飯を食べるふりのところで、2本の小枝を前世の箸のようにしてご飯を食べる振りをしました。
「エルーシアちゃん。いま、ご飯食べているみたいだけど、その2本の枝の使い方もう一度みせてくれるかな?」
とお父様が言いました。
(え!?お父様どこからいらしたの?)
わたしは、お皿にのっている、小石を枝二本使ってひょいと挟んでみました。
「こうやって使うんだよ。お父さん」
「ほうこれはまた、器用につかめるものだね」
お父様がそう言うのでわたしは、箸使いをお父様に教えました。
お父様もおままごとに入っておとうさん役になってもらって遊んでもらいました。
お父様のおとうさん役は、まさしくパパでした。
(なにいっているのかわからなくなってきました)
そうしいると、お祖母様とマダリン叔母様が、わたし達?いいえ、お父様を生暖かく見守っています。
「ジョリーナ。国王陛下の呼び出しじゃ。
すぐに着替えて王城へ向かうのじゃ」
どうやら、お祖父様とお祖母様が急にお城に呼ばれたようです。
お祖父様と一緒に迎えに来たオドベード叔父様は、ままごとするお父様を見ない振りをしていました。
チラチラと首を動かしているオドベード叔父様に声をかけ、無理矢理おままごとに参加させるのでした。
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