ふるさと 🫛
上月くるを
ふるさと 🫛
冬三日月風と土とに育てられ
へその緒の土に還りて寒北斗
降り立てば空気がちがふ冬の駅
改札にコートの襟を立てにけり
寅さんの影法師ゐる冬の駅
西口の灯の照らす枯野かな
寒月に三編み少女ほほゑめる
追憶を吹き鳴らしたる虎落笛
謗られて恥じ入る一茶寒雀
ちかちかと瞬き合ふや寒昴
父の山母なる川や枯木星
代替り生家の卓の蜜柑籠
わが守る子らの故郷や冬青空
冬うらら孫の故郷は山むかふ
文学はこころの故郷石蕗の花
わが犬のふるさとはわれ冬菫
ほろほろと海を目ざせる冬の蝶
空凍てりや鳥も海へと還りけり
みな還る
帰り花みなで歌へる「故郷」かな
ふるさと 🫛 上月くるを @kurutan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます