第2話 逃走

佳苗を刺した犯人は年を跨いで逃走を図っていた、修平はいろんな人脈を使って犯人をさがそうとしたがうまくは行かなかった。半グレならすぐに見つかったかもしれない、残念なことに犯人は半グレとかではないと刑事さんも言っていた。

佳苗が他人から恨みを買うようには思えない、風俗やっていた理由も修平と暮らしていて修平の給料だけだと苦しいのと佳苗の母親の借金に充てていた、ホストに行ったりブランド物を派手に身に着けたりするような子ではなかった。ただただ平凡なその辺にいる女の子だった、それなのに佳苗殺された。

1月になり義母から電話があった、犯人はやはり女性だということホテルに入るのをつけていて、出てくるのを2時間ホテル付近をぶらついて時間を潰していたことが警察の調査で判明した、犯人が男であれば色恋営業からのもつれなのかと修平は思ったが女性だと何故そうなったのかは検討もつかなかった。

ある日刑事さんが修平の家に訪れて一枚の写真を見せ「この人を知ってますか」と訪ねた。写真にはショートカットで茶髪の女が映っていたが修平には見覚えはなかった。監視カメラを追いかけた調べによると女は佳苗を刺した後タクシーに乗って逃走し、大塚でおりたという。タクシーの運転手から「Tシャツに赤いシミがついていた」という証言はとれていると聞かされた、なんでその時通報してくれなかったんだと修平は思ったが無理はない、誰もが厄介なやつとはかかわりたくないはずだ、目の前で何かが起こったとしても無視する人間は無視をするんだ、そんな世の中だったことを改めて感じ取った、刑事さんは「情報が集まり次第お伝えします」と言って警察署へ帰っていた。修平はいつになっても犯人はみつからないだろうと思った。


ある日の日曜珍しくお義母さんから電話が電話がかかってきて「私明日から入院するので佳苗の事件のことはお願いします」と言われた、それしか言わずに電話を切られたので、どこの病院でなんの病気なのかもわからなかった、お義母さんも佳苗が殺害さ精神も疲れ切っていたと思うので入院かもしれないがしっかり休んでほしいと思ったがこれからどうするものかと修平は悩んだ。佳苗の遺品はそのまま家においてある、捨てるのもなにか違う気がしてそのままだ、こういうのって燃やすのが一番いいのかなと思い燃やそうと思ったが涙が出てきて燃やすまでに至らなかった。

犯人は年を超えても逃亡している、いつになればみつかるのだろうかと修平の不安は募る一方だった。

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もうあの人はいない 櫻井 @usamimi0923

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