あたしは、あやなっち

転校のあいさつ

｢ほな、ステージで、みんなに、あいさつしてきなさいねっ！｣

って先生に言われて、体育館の横から、ステージの上にあがって、中央まで行った。

｢沖縄から来ました、綾波文奈ですっ｣

って、わたしは、転校のあいさつをみんなの前で、言いはじめた。

みんな、なんだか面白そうに、わたしの話を聞いてくれてるみたいに思えた。

まあ、3年生になっての転校生だから、それだけでも、なんとなく面白いのかもしれない。

だから、わたしも調子にのって

｢沖縄は、あったかいし、海や星も、めっちゃきれいですよっ｣

って沖縄の話をしはじめた。

沖縄だからなのか、みんな、めっちゃ笑って、わたしのことを見てるし、わたしの話を聞いてくれてる。

沖縄ネタを聞きたいのかな？って思って

｢うちは港のすぐ近くで、窓から、大きな船とかも見えましたっ！夏休みに西表島に行ったら、夜、満天の星空でしたっ！天の川も、めっちゃはっきり見えて感動しましたっ！｣

って、あいさつした。

大阪のことは、まだよく知らないから、話すこともなくて

｢3年生で転校してきましたけど、1年間よろしくおねがいします｣

って言って、しめくくった。

みんな

パチパチパチパチ～

って、手をたたいてくれている。

｢わたしも、そのうち、みんなと大阪弁でしゃべるようになるのかな？｣

って思いながら、ステージをおりた。

かわいいネコちゃん。

なぜか体育館の中にいた。

わたしのこと見つめてる。

｢よろしくニャ～ン｣

って言ってる。