遠藤

第1話

鏡の中 笑うことを忘れた自分がいた


無理に笑うから 嘘つきと泣いている


大人になったと言い訳してみても


失っていくことばかり浮かんでは消えて行く


時間に背中を押され

戻ることも立ち止まることもできなくて


それでも今日も現実へと消えて行く


太陽じゃ眩しすぎるし

星の光だけじゃ真実が見えないから


自分を信じないで何を見るの?


誰かの心にありもしない答えを探している


鏡の中の自分に見られるのが怖くて見ないようにしていた



月明かりの中の鏡が

やつれきった自分を見ていた


一人で泣かないでって


一人で抱えないでって


鏡の中の自分が泣いている


ごめんねって 素直に そう


君が笑うなら僕も笑えるから


もう君を悲しませたりしないよ


鏡の中の君の笑顔を見て


僕も笑った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

遠藤 @endoTomorrow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ