強迫で見えている世界。
冬咲さおり
第1話
私は強迫という症状と闘っている。
内容を話すと、医者からは
そんな症状は聞いたことない
と言われた。
昔の症状から遡って話そうと思う。
歩いていて、魂が抜けたような感覚。
我がそこに居ない気がして、
今来た道を戻らないと気が済まない。
耳に落ちている葉っぱやタバコが入るんじゃないかという感覚。
洋服を持つのも着るのも大変。
そこから数年
時が経ち、今でも目の見え方は普通の人よりも敏感で、カバン一つ持つだけでも距離感がつかめなくて大変である。
症状が無かったらどれだけ生活がラクか。
症状がない人が羨ましい。
最近はそう思えるくらいの余裕がでてきた。
症状が酷いときはそう思えるくらいの余裕すら無かった。
だけど、私にしか見えない景色、視点、世界があるんじゃないだろうか。
不条理で生きづらい世の中だけど
楽しいこともあるし、
人の痛みはわかる気がする。
この先、また別の病気にかかるかもしれないし、いつ交通事故や殺人事件に巻き込まれるかわからない。
だけど、ふとした幸せを感じつつ
少しずつ前を向いていこうと思う。
強迫で見えている世界。 冬咲さおり @saorihon9
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。強迫で見えている世界。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
やっぱり母とは性格合わない/冬咲さおり
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 4話
精神科の病院について。/冬咲さおり
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
世の中の普通が好きじゃない/冬咲さおり
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます