金木犀

磐長怜(いわなが れい)

金木犀

秋は金木犀の香りの君だった。

まとわぬ君が好きだったから、秋雨の夜は執拗に耳を愛でた。

狭量さりょうな私に君は気づいていたんだろう。

色が抜ける前に散った花。

振り返れば今も君の香り。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

金木犀 磐長怜(いわなが れい) @syouhenya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ