第2話 幼馴染み

「頭に違和感ある...」


そう思いながら目を覚ました


横には泣いている母親と、私の手を握っている赤ちゃんの頃からの幼馴染みが居た


「ここ...どこ...」


そう口にすると、白衣を着た男性に言われた


「病院だよ、君は交通事故にあったんだよ?覚えてる?」


ここまで大事になるとは思っていなかったのと、医者がバチバチの好みのイケメンな顔だったことに驚きの表情が隠せない


「登校中に...車に跳ねられて...私のさけるチーズと皆勤賞が...」


「皆勤賞もさけるチーズも1回置いといて!柊和詩が無事で良かったよぉ~!」


そう良いながら幼馴染みが抱き着いてきた、本名は西野 昴、あだ名はゲン


「ちょっ...ゲン痛い痛い!潰れる!」


顔はそこそこのイケメンだというのに、私より可愛いと言うのがなんとも腹立つ大好きな幼馴染みだ


ゲンの頭を撫でながら医者に聞いた


「いつ退院出来るとか分かります?」


医者は首を振った


「とりあえず3日ほど様子を見て精密検査をしましょうか」


心の中でガッツポーズをした


このイケメン医者とまた3日後に会えるだなんて


「では、私はこれで...お母さん、少しお話が」


そう言って母と医者は病室を出て行った


少し残念だなと思いつつ、ゲンに話しかけた


「なんでゲンはここに居るの?学校は?」


「柊和詩がピンチなのに俺が学校を休まないわけ無いだろ!」


むっと頬を膨らませて自信満々に言ってきた、少し腹が立って頬をつついた


病室には私たち以外居らず、シーンとした空気が嫌で口を開いた


「アンタもそろそろ彼女作りなさいよね~...顔は良いんだから頑張ったらすぐ出来ると思うんだけどなぁ~」


ゲンは反抗してきた


「そういう柊和詩はどうなのさ~、推しに人生捧げるとか言ってないで早く彼氏作ったらどうなの~?」


返す言葉が無い、脅し文句のつもりで口を開いた


「そんなこと言ってるとゲンのこと彼氏にするよ?」


罪悪感でゲンの顔を見れない


気まずい空気が流れている所に、母親が来た


「なにか持ってきてほしいものあったらスマホで言ってね?持ってくるから」


私は言った


「充電器!イヤホン!イケメン!」


母は呆れた様子で


「充電器とイヤホンね、はいはい」


と言って去って行った


短い病院生活の始まりだと心の中で叫んだ

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余命宣告ってマ? ぱむ @hinata1217

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