フライヤー

フライヤー

空はあるんだ

風も吹く

そして降ってきたフライヤー

撒かれたビラは

太陽の光を浴びて

きらきらと輝きながら

地上に無情を告げにいく

貧しくて

ひもじくて

働く場所がなくて

学べども

祈れども

飛び立てず

金の平原も

青い氷河も

白い水煙あがる滝も

赤い城も

緑の女神も

ハチミツ色の街並みも

閉じ込められて生きる現実（いま）では

画像を眺めて

憧れるだけの場所で

どうしたらいい？

迫り来るこの気配

どろりとしたヒリヒリした

嫌な気配

ひとつしかないこの地球で

あなたもわたしも

80億分の１

この世にひとつの

輝くいのち

泣いて笑って嬉しんで悲しんで

地球に生きる

大事ないのち

そうなんだろう？